2007年6月8日金曜日

用語集 - 株式・金融

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■JASDAQ(店頭市場)
証券会社で組織する団体である「日本証券業協会」に、会社の発行株式を店頭売買有価証券として
登録することです。日本証券業協会が開設し、株式会社ジャスダックが運営するJASDAQ市場は、
全国的な規模の市場であり、証券会社の店頭において売り手と買い手が相対で売買取引を行う
市場です。従来の株式公開では、中堅企業はまず、JASDAQ市場へ公開し、その後、取引所市場へ
上場するという流れがあり、JASDAQ市場は、中堅企業の公開に適した市場というイメージが
定着しています。
■NASDAQ(ナスダック、米国店頭市場、
National Association of Securities Dealers Automated Quotation)
ナショナル・マーケットとスモールキャップ・マーケットからなり、一般的には規模の大きい会社を
ナショナル・マーケットで、小さな会社をスモールキャップ・マーケットで取り扱います。インテル、
マイクロソフト、オラクルなどをはじめとする超優良企業が多数公開しています。
■マザーズ
高い成長の可能性を有する新興企業の資金調達を円滑にし、産業の育成を支援するとともに、
投資者に多様な投資案件を提供することを目的として平成11年11月11日に開設された
東京証券取引所の市場のことです。その上場基準は、
・上場時1,000単位以上の公募及び売出しの実施(うち500単位以上は公募による)
・上場時の公募・売出しにより新たに300人以上の株主を作る
・上場時の時価総額10億円以上
・上場対象となる事業に係る売上高計上
・開示される財務諸表等に係る監査意見が「適正」であること
となっています。
株式・金融
株式・金融

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■ヘラクレス
ベンチャー企業等新興企業を始め高い成長力が期待できる企業に資金調達の場を提供するため、
平成12年5月8日に「ナスダック・ジャパン」の名称で開設された大阪証券取引所の市場のことです。
当市場には、質的に優れた高成長企業を対象とする「スタンダード」と、事業規模は小さいが
潜在的成長性に富んだ新興企業を対象とする「グロース」の2つの基準があり、マザーズと比較して、
① 申請書類を削減して、「スピーディ」な株式公開を可能とする。
② 「流動性の高い」株式市場を目指す。
③ 四半期ベースの情報開示等、ディスクローズを重視する。
といった点については同様ですが、流動性の高い市場とするために、上場時に浮動株時価総額
基準を取り入れ上場基準と連動した上場廃止基準を設けているのが特徴的です。
なお、ナスダック・ジャパン株式会社と株式会社大阪証券取引所との間の業務協力契約の解消に
伴い、平成14年12月16日に市場名称が「ナスダック・ジャパン」から「ヘラクレス」へと変更しました。
■東証(株式会社東京証券取引所、東証、Tokyo Stock Exchange Inc.)
1949年に証券取引法に基づいて設立されて以来、大阪証券取引所、名古屋証券取引所と共に
「三市場」と称され、日本を代表する証券取引所として日本経済の成長に貢献してきました。
株式市場として上場基準の異なる市場第一部及び市場第二部ならびに新興企業向けのマザーズが
あり、この外に公社債市場が開かれています。
■出来高
株の売買高を株数で示したもののことです。株の取引高には、株数で示す出来高(売買高)と、
金額で示す売買代金とがあります。かつては株の取引高といえば出来高のことでしたが、最近では
売買代金の方がよく使われるようになってきております。なぜなら、昔はほとんどの株が
1000株単位か100株単位であったのに対して、現在は1株単位で株価が数十万円以上のものが
増えてきたため、株数表示した売買高は実態にあわなくなってきたからです。
■投資有価証券
貸借対照表の借方の資産の部、固定資産のうちの「投資その他の資産」の一つのことです。企業の
持ち合い株式や関連会社の株式の他、満期までに期間が一年以上の債券、市場での価格がない
有価証券などを指します。
■キャピタルゲイン(capital gain)
資本利得。株式・債券・土地など保有資産の価格上昇から生じる利得のことです。資産の
売却譲渡によって実現した場合と、発生しただけで未実現の場合とに区別されます。
株式・金融

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■資本政策
株式を公開することにより、会社は株式市場を通じ、低コストの資金を調達することで財務体質を
強化し、また、オーナーは創業者利潤を実現させることができます。資本政策とは、このような
株式公開のメリットを適正に享受するための手段であり、株式公開準備作業のなかでも、重要な
位置を占めるもののことです。株式公開準備としての資本政策の目的は、
・オーナーの経営権(持株比率)の確保
・公開後の安定株主対策
・公開後の株価維持
・オーナーの相続対策(事業承継対策)
・従業員の経営参加意識の向上(従業員持株会の設立)
・オーナーのキャピタルゲインの確保
・会社資金の調達
・インセンティブ・プラン
■四半期開示
四半期ごとに財務諸表を開示することです。原則として2004年4月以後に開始する事業年度から、
本格的な「四半期ベース(年度および中間を除いた第1四半期と第3四半期)の財務・業績の概況」を
開示することが義務付けられましたが、年度決算や中間決算の開示が証券取引法などで
義務付けられているのに対し、四半期開示は法定開示ではなく、証券取引所が要請する適時開示の
充実の観点から行われる開示制度です。四半期の財務情報は、年度や中間の財務諸表の場合と
異なり作成基準がなく、中間連結財務諸表等の作成基準をベースとして作成するのが一般的な
方法です。しかし、実務負担の軽減を図るため、これらの作成基準と大きなかい離が生じない範囲で、
簡便な方法を採用することが認められています。原則として開示が求められるのは、
要約連結貸借対照表と要約連結損益計算書(連結財務諸表を作成していない場合は、単体の
要約貸借対照表、損益計算書)です。連結剰余金計算書や要約連結キャッシュ・フロー計算書の
開示は任意であり、また、これらの財務情報の注記事項についても、必要最低限のものに限定する
ことも認められています。
■自己資本規制比率
証券会社の自己資本から固定的な資産を控除した「固定化されていない自己資本の額」と、
諸事情により発生し得る危険に相当する額、いわゆる「リスク相当額」との関係を示す指標です。
証券取引法では、証券会社はこの比率が120%を下回ってはならないと定めています。
■VC(ベンチャーキャピタル)
外部の投資家から資金を集め、創業期および発展期のベンチャー企業に資金を出資するのみ
ならず、経営のサポートを行うことで成長の加速を促し、その企業の株式公開により
キャピタルゲインを得ることを業務とする企業のことです。
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P.26

■エンジェル
創業期のベンチャー企業に資金提供を行う個人投資家のことです。日本では産業の創出に
かかせないベンチャー企業の育成を推進するため、ベンチャー企業への投資促進を目的とする
エンジェル税制が平成9年の税制改正で創設されています。
■EPS(earnings per share、1株当たり利益)
当期純利益を発行済み株式数で割ったものが1株当たり利益となります。
■MVA(market value added、市場付加価値)
企業の市場価値(株式時価総額と負債の時価を合計したもの)から投下資金(株主資本と負債の
簿価)を差し引いたもので、それまでに企業に投じられた資金が生み出した企業価値を表します。
また、MVA は現在と将来生み出されるEVAの合計額の現在価値と等しくなり、経営・投資指標として
EVA とともに使用されることが多いです。
■EVA(economic value added、経済付加価値)
企業の経営評価のための指標の一つで、税引き後の営業利益から利息や配当金などの
資本コストを差し引いたものです。企業の資本を使って生み出された価値を表します。
■IRR(内部収益率)
投資プロジェクトの評価指標のひとつで、投資に対する将来のキャッシュフローの現在価値と、
投資額の現在価値とがちょうど等しくなる割引率(=内部利益率)を求め、内部利益率が
資本コストよりも大であればその投資は有利であり、資本コストよりも小であれば不利であると
判定する方法のことです。
■格付け
債券等の信用リスクを独立の格付機関が誰にでも分かりやすい指標で市場の投資家に向けて
発表したものです。もっとも一般的な格付は債券格付ですが、これは発行債券の元利支払いの
安全性を判定するものであり、発行体そのものの信用度が格付されるものではありません。なお、
最近は格付の対象も広がり、さまざまな信用リスクに対する格付が発表されるようになっています。
格付はファイナンスのパスポートと言われており、社債発行に当たり取得が求められている他、
コマーシャルペーパーの発行にも実務上必要になります。
■IR(インベスターリレーションズ、投資家向け広報)
投資家や株主の企業に対する理解度を深めるため、
株式を公開する企業が投資に必要な情報を投資家や株主に提供する活動のことです。
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■トラッキングストック
一つの会社内の特定事業部門やセグメントの業績をもとに、投資家に対して配当を提供する
種類株(クラスストック)のことです。日本では平成13年6月にソニーが初めて子会社の経済価値に
連動する株式を発行、東証一部に上場させました。
■株式交換制度
完全親子会社関係を円滑に創設するための制度のことです。従来法においては、買収方式および
株式の現物出資方式が利用されてきましたが、買収方式においては資金面の問題、
現物出資方式においては検査役の調査等の問題が生ずるために本制度が創設されました。なお、
株式交換制度は株式交換と株式移転に区分されます。
・株式交換
既存の会社が自社の株式と他の会社の株式を交換することで会社を完全子会社化すること。
・株式移転
既存の会社が自社の株式と新会社の株式を交換することで新たに親会社を設立すること。
また、税務上は一定の要件を満たすことで株主の株式譲渡損益が繰延べられることとなります。
■ストックオプション
一定の権利行使期間に予め定められた権利行使価格で、所定の数の株式を購入することの
できる権利のことです。一般にインセンティブプランの一つとして用いられています。平成13年
商法改正により「新株予約権」という概念が導入されたことに伴い、ストックオプションは
「新株予約権の有利発行」という位置付けとなりました。この商法改正により、ストックオプションは
以下のように規制緩和されています。
・従来は発行済株式総数の10%までしか付与できなかったが、授権株式数の範囲内ならば
この制限がなくなった
・従来は権利行使期間が総会決議日から10年以内とされていたが、この制限がなくなった
・権利行使時に交付する株式は、新株発行による場合と所有する自己株式による場合と
2種類あり、従来は権利付与時点でどの方法をとるのか予め決めておく必要があったが、
改正により権利行使時点で自由に選択できることとなった
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■成功報酬型ワラント債(擬似ストックオプション)
申請会社が役員または従業員に報酬、給与または賞与として、新株引受権(ワラント)を譲渡する
目的で発行する分離型の新株引受権附社債です。成功報酬型ワラント債を利用した
インセンティブ・プランであり、株式公開を目指す企業の人材確保を目的として役員・従業員へ
ワラントを譲渡するものです。成功報酬型ワラントの特徴は、
・発行価格・権利行使価格
原則として自由であるが、商法上の有利発行や課税関係に留意する必要がある。
・ワラントの取得者
役員または従業員(子会社の役員、従業員も含まれる)に対して付与される。ただし、
従業員持株会は含まれない。
・ワラント債の引受先
引受先についての制限はない。一般的には、証券会社、金融機関、ベンチャーキャピタル等で
ある。
・ワラント取得者及び株式取得者の継続保有義務及び預託義務
成功報酬型ワラントの取得者は、権利行使期間までワラントの継続保有義務と証券会社への
預託義務を負う。また、ワラントの権利行使により株式を取得した者は、株式公開の前日まで
同株式の継続保有義務と証券会社への預託義務を負い、ワラント取得者と発行会社、
幹事証券会社との間で覚書を締結する必要がある。また、証券取引所あるいは証券業協会への
書面による報告を要する。
・発行決議の禁止期間
株式公開申請日から株式公開日の前日までの間は発行決議が禁止されている。
・有価証券届出書の開示
ワラントの取得者及び権利行使株式等の状況を公開時に開示する。
■スピンオフ
企業がその一部門を別会社として分離・独立させることです。新会社の株主は親会社になる場合が
多いのですが、当該新会社の役員、及びベンチャーキャピタル等(MBO)がなる場合もあります。
ただし、米国で使われている狭義の「スピンオフ」では新会社の株式を親会社の株主に割り当てる
方式のみを指します。
■新株予約権
会社に新株を発行させる、または会社の自己株式を移転させる権利のことで。株式を特定の価格で
購入できる権利(コール・オプション)のことを意味します。新株予約権の所有者は、新株予約権を
行使して、会社に新株を発行させる、または自己保有株式を移転させることができ、新株予約権は、
従来の転換社債権、新株引受権、ストックオプションの総称のことです。これまでの新株引受権の
制限を緩和してできた新しい用語で、2002年施行の商法改正で導入されました。
株式・金融

P.29

■M&A
直訳すれば企業の合併・買収ですが、単純な合併、買収のみならず、一部事業の統合や
資本提携なども含めたものです。
■デューデリジェンス
M&A取引に関する意思決定を行うに際して、対象会社ないしは事業等に対する実態を把握し、
問題点の有無を把握するために行う調査のことです。デューデリジェンスは、大きく以下の3つに
区分できます。
① ビジネス・デューデリジェンス
企業組織、生産・販売及び財務活動、研究開発活動等の調査。
② ファイナンシャル・デューデリジェンス
直近財務諸表及び過去の財務諸表の分析・調査、資金繰りの実態、含み損等の簿外負債の
把握等の調査。
③ リーガル・デューデリジェンス
定款、登記事項等の法的基本事項、重要な契約の内容、係争事件等の法的事項の調査。
■TOB(Takeover Bid、株式公開買付)
不特定多数の株主に対し、公告により株券の買い付け申し込みを行うことで、有価証券報告書を
提出している会社の株式等を証券取引所を通じないで取得するには、原則としてこの
株式公開買付の方法によらなければなりません。ただし原則として5%以内の株数の取得には
摘要除外とされています。
■敵対的買収(Hostile Take Over)
上場企業の株式を、対象企業経営陣の同意を得ずに市場における買い集めによって取得すること
です。対象企業の既存経営陣の意思にかかわらず買収する企業が市場で経営支配権を得るに
足る株式を買い集めれば、買収企業は事実上、現経営陣を排除することが可能になります。
株式・金融

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■MBO(Management Buy-Out)
企業の子会社や事業部門の経営者、従業員がベンチャーキャピタルや金融機関から資金を調達し、
その子会社の株式を買い取ったり、新会社を設立し営業を譲り受けることで独立するという形態の
M&Aのことです。現代版『暖簾分け』とも言われます。新会社の経営陣となる個人や新会社
そのものが親会社の事業を譲り受け、その資金は新経営陣の個人的な資産である場合と、
譲り受ける事業の資産等を担保として借り入れやベンチャーキャピタルからの出資を仰ぐ場合とが
あり、通常は後者によるものが多いです。
■LBO(Leveraged Buy-Out)
被買収会社の資産を資金調達の際の担保とし、買収後に被買収会社の資産により借入等を
返済するM&Aのことです。被買収会社の資産に、事業用資産(有形固定資産や技術力、ライセンス、
ブランドなどの無形資産)よりも流動資産(現金、売掛金、貸付金、有価証券、投資有価証券など
換金の容易な資産)が多い場合に使用されます。
■サービサー
特定金銭債権の管理および回収を業として行う会社のことで、サービサーは法務大臣の許可を
受けた株式会社でなければ営むことができず、さらには5億円の最低資本金制度や取締役の1人は
適格性のある弁護士であることなど厳しい要件が定められています。
■リストラクチャリング(restructuring)
債務者が当初の契約どおりに債務を返済することが困難になった時、より返済期間の長い債務に
切り換えることです。
■安定操作取引
有価証券の募集・売出を円滑に行うため、買支え等の売買により、有価証券の相場を釘付けし、
固定または安定を図る取引のことです。相場操縦のひとつであるため、証券取引法では、一定の
要件の下に摘要するよう定められています。
■安定株主
企業の株主で、その企業の業績や株価など目先の動きには左右されず、長期に株式を保有する
株主のことです。その企業の経営者や従業員持株会、その企業との取引関係等から株式を
保有している金融機関や取引先企業などのことを指します。
株式・金融

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■アンビシャス市場
札幌証券取引所が平成12年4月に開設した市場で高い成長性が期待される新興企業を対象として
いて、上場の基準として、直前事業年度の営業利益が正であること、上場時の純資産の額が
2億円以上であり、かつ上場時価総額が3億円以上であること又は時価総額が5億円以上
(純資産の額が正)であること、などが設けられています。
■移動平均
株価チャート(株価のグラフ)の中で最もポピュラーで基本的な指標です。移動平均には2つの意味が
あり、日々の動きを平滑化し株価の今後の動きの予測を抽出するという意味と市場参加者の
平均コストを算出するという意味があります。よく使われる移動平均線は、日足(5日、10日、25日、
30日、75日、80日、150日、160日、200日)、週足(13週、26週)、月足(60カ月、120カ月)です。上記の
日の移動平均線は、過去n日間(立合日ベース)の終値の平均値を表します。(権利落*は修正する)
日足の移動平均線はDMA、週足の移動平均線はWMAといいます。
※権利落(けんりおち)とは、取引所が翌日の取引の値幅制限価格を決める際に終値から引いて
配当分等の権利部分を基準価格に適用するものです。
■インカムゲイン
公利金、株式の配当など資本運用による成果の配分から得られた収益のことです。株式投資なら
現金配当、債券投資ならば受取利子、投資信託ならば収益分配金のことをいいます。一方、
株式等の値上がり益をキャピタルゲイン(保有証券の元本の値上がり収益のこと)といいます。
■インカムファンド
株などの値上がりによる利益をキャピタルゲインというのに対して、株の配当などの収入をインカムと
いいます。インカムファンドは値上がり益と配当収入の両にらみで運用され、値上がり益を追求する
ファンドにくらべて安定運用の性格が強くなります。
■インサイダー取引
株式等の有価証券の発行会社の役職員等は、公表されれば投資家の投資判断に影響を及ぼす
ような会社の重要事実を入手しやすい立場にあり、このような人たちが、重要事実を知りそれが
公表される前に行う取引のことです。こういった取引を未然に防止し、投資者が安心して投資できる、
より健全で公正な証券市場を確立することを目的として、証券取引法等でインサイダー取引の
規制が行われています。
株式・金融

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■インセンティブ・ストック・オプション
役員、従業員の報酬または賞与として与えられる、株式を一定の価格で買える権利のことです。
現金報酬と違い、権利を貰った後に株式が値上りしたときに権利を行使する事で初めて報酬と
しての手取が発生します。日本においては、商法の自己株式取得の原則禁止等の制約で、
報酬制度として導入している企業はほとんどありませんでしたが、年功序列、終身雇用の見直しなど、
労働環境の変化を背景に、日本型のストックオプション導入を検討している企業が増えており、
特にベンチャー企業で多く採用されています。
■インデックス
市場の動きを一定のルールのもの値指数化したもの。
■インデックス・ファンド
東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価などの株価指数に連動するように運用されるファンド
(投資信託)をいいます。日経平均連動型の場合、日経平均を構成する225銘柄に原則として
同株数ずつ投資します。TOPIX連動型では、TOPIXに近い値動きをするよう設計された
投資モデルに従って、投資銘柄やその株数を決めます。
■エクイティ・ファイナンス
株式発行を伴う資金調達のことです。新たに株式を発行する方法のほか、新株引受権付社債、
新株引受権証券を発行する方法もあります。
■エマージング市場
新興成長市場のことです。中南米、東南アジア、東欧などがエマージング市場に当たります。
■大型株
発行済み株式数の多い企業の株式のことです。発行済み株式数により「大型株」「中型株」「小型株」
に分けられます。発行済み株式数が2億株以上の株式を「大型株」といいます。TOPIX
(東証株価指数)を補完する「規模別株価指数」の算出において、東京証券取引所の
市場第一部上場銘柄のうち、上場株式数2億株以上を「大型株」、6千万株以上2億株未満を
「中型株」、6千万株未満を「小型株」と呼び、これらの分類に基づいて株価指数を算出しています。
なお、規模別の分類は、上場会社ごとに定款で定められた1単位の株式数が異なるため、
単位株数換算後(上場株式数×1,000株/1単位の株式数)の株式数で行っています。
単位株制度非適用会社については、1株を「1単位の株式数」とみなして計算しています。
■オプション
何かをする『権利』のことです。
株式・金融

P.33

■オプション取引
ある商品を、将来のある期日までに、あらかじめ決められた価格(行使価格)で買う権利
(コールオプション)または売る権利(プットオプション)を売買することです。オプションの価格を
プレミアムといいます。
・コール・オプション
ある決められた日に(までに)ある決められた価格で、原資産を『購入する権利』
・プット・オプション
ある決められた日に(までに)ある決められた価格で、原資産を『売却する権利』
※決められた日を満期日、権利行使日、あるいは消滅日といい、決められた価格を行使価格)と
いいます。
■オフバランス化
企業などの会計処理において負債などを償却し、貸借対照表に計上しないように会計処理をする
ことです。
■終値
株式がその日の最後に取引された値段のことです。
■価格変動リスク
倒産までにはいたらずとも、株価が値下がりするリスクのことをいいます。株価は企業業績や
市場動向をはじめとする複数の要因が複雑にからみあって値動きしています。この動きによって
投資した金額の一部を失う可能性の事を指しています。
■格付機関
スタンダード&プアーズ(S&P)社、ムーディーズ社、日本格付投資情報センター(R&I)、
日本格付研究所(JCR)などがあります。
■額面
企業が発行する株式の券面に表記される金額のことです。以前は50円が一般的でしたが、1982年の
商法改正で、額面の合計が5万円になるような単位で株式を売買する規則が導入され、額面5万円の
株式が一般的になりました。額面5万円の株式は1株単位で売買されるのに対して、額面50円の
株式は、1,000株単位で売買されていました。2001年に同規則が廃止されたため、現在はすべて「無
額面株式」となっていますが、従来の見方が残っているため、1,000株単位で売買されている株式の
株価が50円を割ると「額面割れ」と言われ、企業の存続に懸念が持たれるようになります。
株式・金融

P.34

■貸株
信用取引において、証券会社が売方顧客に貸す株のことです。信用取引においては、証券会社が、
売方顧客に対して株を貸し付けます。通常、証券会社は証券金融会社からその売付株式を借り入れ、
顧客にその株式を貸し付けることが多いのですが、この方法で必要な株券の全部が
調達できなければ不足する株券を金融機関など外部から調達します。また、機関投資家が
保有株式の運用利回りを上げるために株式を貸し付けることもあります。この場合には、相手方も
ヘッジファンドなどの投資家で、空売りをするために使ったり、裁定取引に使ったりします。
このように株式が調達される市場を貸株市場といいます。
※貸借取引で証券金融会社が証券会社貸し付けている残高を「貸株残高」といい、銘柄ごと毎日
発表されています。
■カバードワラント
「カバードワラント」とは、株式や株価指数のオプション(売買する権利)を証券化したもの。一般的に
対象となる資産(株式など)に比べて値動きが大きくハイリスク・ハイリターンであります。また少額の
資金で個別銘柄に投資するのと同等の効果が期待できるという面もあります。
■株
株式のことです。
■株価キャッシュフロー倍率
キャッシュフローは、税引後利益に減価償却費を加えたもので、会社に入ってくるキャッシュを
簡便的に表しています。株価を1株当たりキャッシュフローで割ったものを、
株価キャッシュフロー倍率といいます。株価キャッシュフロー倍率は、株価収益率(PER)などと
同様に、株式市場平均や同業他社などと比べて割高・割安を判断するために使われます。
キャッシュフローは、税引利益に減価償却費を足し戻すことで減価償却方法の異なる企業を
比較可能にするため、企業の国際比較を行う際に用いられます。
株式・金融

P.35

■株価指標
株式投資をおこなう際の尺度となるものをいいます。投資対象となる株式が、「割安」か「割高」、
「買い」か「売り」かなど個別企業の状況を、客観化あるいは相対化して判断する際に用います。
代表的な株価指標は次のようなものがあります。
● マーケット全体をあらわす指標
・出来高
証券取引所で売買された株数を「出来高」という。株式市場や個別の銘柄が活況に売買されて
いるか否かを判断する指標
・出来高10位占有率
株式市場全体の取引に対し、その日の出来高の上位10社の占有率を出し、その高低で、
株式市場の動きを判断する指標
・取組高
株式市場の先物取引の取組みの状態をあらわす。株式市場の動きを判断する指標
・売買代金
個別の銘柄が株式市場が活況に売買されているか否かを判断する指標
・値付率
株式市場の活況度合いをあらわす指標
● 個別企業をあらわす指標
・配当利回り
銘柄選択の尺度の1つ。株価に対する年間配当金の割合を示す指標
・株価収益率(PER)
銘柄選択の尺度の1つ。株価が割安か割高かを判断する指標
・株価純資産倍率(PBR)
銘柄選択の尺度の1つ。企業の財務体質や資産内容を判断する指標
・株価キャッシュフロー倍率(PCFR)
利益の状態をより正確にとらえ、企業の真の姿を判断する指標
・株主資本利益率(ROE)
株主が投資した資金はどう使われたか。その有効性を判断すための指標
・総資本利益率/総資産利益率(ROA)
企業の資産運用はどう行われているか。その効率性を判断する指標
株式・金融

P.36

■株価収益率(PER:Price Earnings Ratio)
株価が1株当たり利益の何倍まで買われているかを示す指標です。一般にPERが高いと利益に
比べて株価が割高、低ければ割安であるといわれています。しかし、同時に、その会社の成長への
期待が高いということもいえます。ただ、PERが何倍であれば株価は割高、あるいは何倍であれば
株価は割安という絶対的基準値はありません。あくまでも相対的な判断指標です。
計算式:株価収益率(PER)=株価÷1株当たり利益
※1848年にドイツから英国に渡ってきたはマーカス・ゴールドマンはゴールドマン・サックスの
創業者です。その子息であるヘンリー・ゴールドマンがPERの概念を広めたと言われています。
昔は鉄道会社や製鉄会社などの大半の証券が、会社の資産価値で評価されて市場で売り
出されていました。簡単に言えば株価純資産倍率(PBR)による評価です。ところが、彼は、
小売業においては在庫回転率が債務返済能力を決め、利益を生み出すものであると主張しました。
この考え方をさらに広げて、彼は利潤を生み出す能力で会社を評価する概念を作り出したそうです。
■株価純資産倍率(PBR:Price Book-value Ratio)
株価と1株当たりの株主資本(純資産)の比率を示す指標で、企業の解散価値と、株価との関係を
知ることができます。PBRが1倍に近づくほど株価は割安であることを示していますが、1倍以下に
なると株価が解散価値をも下回ることになります。
計算式:株価純資産倍率(PBR)=株価÷1株当たり株主資本(純資産)
■配当利回り
株価に対するする年間配当金の割合を示す指標で、1株当たりの年間配当金額を、現在の株価で
割って求めます。
例えば、現在株価が1000円で、配当が年10円であった場合、配当利回りは1%(10円÷1000円)とな
ります。
投資をするときは、配当の予想値を用い、配当利回りを出し、判断材料とします。株価が下落すると
配当利回りは上昇します。値上がり益に比べて、企業が配当を減少させるリスクはあるものの、株価
上昇の値上がり益よりも確実性が高い配当利回りを重視する投資家が増えてきています。
■株式益回り
1株当たり利益を株価で割ったものを、株式益利回りと言います。株価収益率の逆数になります。
株式・金融

P.37

■株式
株式会社の株主としての権利を表すものです。
・普通株式
最も一般的な株式を「普通株式」といいます。株主に与えられる権利は一切限定されていません。
わが国の証券取引所で取引されているのはそのほとんどが普通株式です。
・優先株式
普通株式に比べ、優先的に配当を受け取る代わりに議決権などに制限のある株式です。
・後配株式
優先株式とは反対に、普通株式の後に利益の配当や残余財産の分配を受けることになる
株式です。(劣後株式と呼ぶこともあります)
・混合株式
優先株式と後配株式の性格が混ざり合った株式です。例えば、利益の配当は優先的に
受けられるが、残余財産の分配は後配であるような株式のことです。
・償還株式
会社の利益によって償却されることが予定されている株式のことです。
・転換株式
権利内容の異なる複数の株式を発行しているケースで、例えば、普通株式から優先株式へ
転換できる株式のことです。
・無議決権株式
株主総会で議決権を行使できない株式で、わが国では配当優先株式についてのみ発行が
認められています。
■株式含み損
銀行などが保有する株式の価格が下落し、時価が取得時の株価を下回ることで発生します。
銀行などは、このうちの約6割を剰余金など自己資本から差し引く必要があるため、含み損の拡大は
自己資本比率の低下をもたらします。
株式・金融

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■株式分割
1株をいくつかに分割し、発行済みの株式数を増やすことです。例えば、1株を2株に分割すると
その株式を保有していた人の持ち株数は自動的に2倍になります。1,000株保有していれば2,000株に
なります。しかし、株数は2倍になるが、それに応じて資産価値も2倍になるかというと、そうでは
ありません。理論上、1株の価値は半分になるため、資産価値は分割前後でイコールとなります。
株式分割によって株数が増えた結果、株価が安くなり、投資家はその分だけ買いやすくなります。
買いやすくなれば、人気がでてきて株価が値上がりしやすくなります。株式分割をする会社は、
成長力があって株価が高い会社が多いので、増配やその後の株価上昇も期待できます。
株式分割は取締役の決議で行うことができます。ただし、額面変更を伴う株式分割は、株主総会の
特別決議が必要です。株式分割は増資と異なりますが、小幅な分割の場合一般には無償増資と
呼ばれる場合が多いといえます。
■株式持ち合い
銀行と企業がお互いに株式を持ち合う慣行のことです。先進国の中では、ドイツと日本にある独自の
慣行です。融資や取引の関係を強めたり、敵対的な買収を防ぐ目的で広がりました。株式の
取得価格と時価との差である含み益は、銀行の不良債権処理の原資などとして活用されてきました。
しかし、含み益を活用するために、株式をいったん売却してすぐに買い戻す「益出し」を繰り返した
結果、株式の簿価は上昇。時価会計が導入された現在では、含み損が出た場合にその約6割が
配当原資となる剰余金から差し引かれるなど、株式を持つ経営リスクも高まっています。また、
株式の流通が妨げられて株式市場の活性化を阻害する弊害も指摘されています。
■株主還元
株主利益還元ともいい、会社が営業活動によって獲得した利益を適切に株主に還元することを
いいます。還元の方法としては、増配や株式分割等があります。
■株主資本配当率
株主資本配当率は、年間配当金を前期及び当期の株主資本の平均値で割ったものです。株主が
直接払い込んだ資金と、本来株主に帰属する利益を再投資している内部留保の合算である
株主資本という「元手」に対して、株主に年間どれだけの配当金としての還元があったかをみる
指標です。
株式・金融

P.39

■株主優待
暮らしに密着した事業を展開する企業などが、株主還元策の一環として、持ち株数に応じて
自社製品や優待券、回数券などを無料で配布しているケースがあります。これが「株主優待」です。
個人投資家を増やすために「株主優待」を行う企業が増えています。例えば、ファミリーレストランや
ファーストフードの会社であれば割引券、映画会社であれば招待券や優待券、鉄道会社であれば
回数券や全線パスなどを、配当とは別に投資家に配布しています。
■株主割当増資
新株引受権を株主に割り当てて行う新株式の発行形態ことで、株式の発行価格は時価に
かかわらず額面金額によるもの(これを額面発行増資といいます。)と、額面金額と時価の中間の
価格によるもの(これを中間発行増資といいます。)とがあります。この増資方法には、時価と
発行価格との差は応募者となる株主に帰属するため応募の確実性が高まること、増資による
株主構成の変化が少ないといった特徴があります。
■第三者割当増資
業務提携の相手先や取引先等、発行会社と関係のある特定の者に新株引受権を与え、新株式を
発行することです。業務提携先との関係を強化する場合や経営状態が悪く株価が低いため普通の
増資ができない場合などに利用されます。
■下方修正と上方修正
上場している企業は、決算を発表するときに、来期の業績(売上げや利益)の予想を出します。
実際の業績は、経済環境などによって、予想通り行かないことも多いのですが、発表した
業績予想から大幅に変わりそうな場合、企業は業績予想の修正を発表しなければなりません。
■借り換えローン
民間金融機関の借り換えローンは、住宅金融公庫が93、94年度に導入した「ゆとり返済」で返済額が
一気に跳ね上がった98年から活発化しました。以前なら地価の下落などによる担保価値の不足で
借り換えローンを利用できなかった人も、現在は新たに住宅を購入する人と同じ金利で借り換える
ことが可能です。
■為替相場
自国通貨と外国通貨の交換レート(比率)のことです。為替レートともいいます。為替市場における
外貨の需給関係で決まり、需給は実需のほか投機により左右される場合があり、実需よりも
投機による取引量が拡大しています。
株式・金融

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■為替ヘッジ
投資信託の投資対象の中には外国債券を含むものがあり、これらは価格の値動き以外に
為替相場の変動によって為替差損益が発生します。円を基準に考えると、これは外貨建て投資
全てに共通します。円高による為替差損を回避するため、通貨オプションや先物などを活用して
為替変動リスクを抑える手段のことをいいます。為替ヘッジの方法として代表的なものに
「先渡為替予約」と「通貨オプション」の二つがあります。為替動向に関わらず常時為替ヘッジを
行うものをフルヘッジといいますが、明らかに円安へ向かう局面では為替差益を獲得するために
為替ヘッジを外すなど機動的に活用するものもあります。
・先渡為替予約
将来の特定日を受渡日として、あらかじめ約定(取引)価格を予約しておく方法
・通貨オプション
一定の為替レートで外貨を売買する権利の売買の方法
■元本
投資をはじめる時、最初に投資したお金のことです。
■基準価格
投資信託ファンドの純資産総額を受益権総口数で除し、1万口当たりに換算した価格のことです。
■キャピタルゲイン課税
有価証券の譲渡による所得に対しての課税のことで、上場されている株式(新株引受権を含む)・
転換社債・新株引受権付社債のキャピタルゲイン課税については、個人投資家の場合、以下の
いずれかを選択することになります。2003年から源泉分離課税は廃止され、株式の譲渡にかかる
譲渡所得等については、申告分離課税にて確定申告を行わなければなりません。平成19年までは
年間の株式譲渡所得の10%、平成20年からは20%となる。源泉分離では、株式については
譲渡金額の5.25%(転換社債は2.5%)をキャピタルゲイン金額とみなし、所得税(20%)が
課税されます。なお住民税は非課税となります。申告分離では、実際のキャピタルゲインの金額に
対し所得税(20%)と住民税(6%)が課税されます。
株式・金融

P.41

■繰上げ償還
債券または投資信託のうち満期(最終償還期限)の定めのあるものにつき、その以前のある日に
残存元本全部を償還することをいいます。
・債券
発行会社が合併、破産、清算といった特殊な事態に際して行うこともありますが、金利低下に
伴って発行者が低利率債への借り替えを目的として行います。
・単位型投資信託
繰上償還することが受益者にとってもっとも有利であると、運用会社と受託銀行が協議の上
判断した場合で、基準価額が著しく上昇してしまったような場合に行います。
目論見書などの約款に定められた純資産残高を割り込んだ場合に行われることが多くあります。
逆にファンドの運用が好調で、目論見書などの約款に定められた基準価額に達した場合、
債券などの安定運用に切り替えた後に繰り上げ償還されるケースもあります。投資信託協会に
よると、7月末の投資信託全体の純資産残高は37兆7271億円で、2000年6月の60兆4602億円の
約6割に減っています。
■グローバル株式(グローバル・エクイティ)
日本を含む世界の株式のことです。
■グローバル債券(グローバル・ボンド)
日本を含む世界の債券のことです。
■決済
ここでいう決済とは、証券用語の意味合いで、約定に基づき、証券と資金の受渡をすることです。
または信用取引において、建玉を反対売買(返済)または現引・現渡をすることについても決済という。
■決算日
信託銀行がファンドの決済を行う日のことで、期中の費用、損益を計算し、売買状況、組入銘柄の
一覧などを投資家に報告し、決済日に分配金の払い出しが行われます。
■源泉分離課税
株式等の売却代金の1.05%が税金として徴収され、課税関係が終了する方法です。この方法は
実際の利益は一切問わず、売却代金の5.25%を一律に値上がり益とみなすもので、そこに20%
課税されます。手続きは「選択申告書」を提出するだけで本人確認も不要です。
株式・金融

P.42

■権利行使
オプションの保有者(買い方)が、オプション契約に基づいて実際に権利行使価格で、基礎商品の取
引を行うことをいいます。
■権利行使価格
オプション取引の買い方が、権利行使したときに、基礎商品を取引できる価格のことをいいます。
■公募
不特定かつ50名以上の多数の投資家に対し、新しく発行される有価証券の取得の申込を勧誘する
ことを一般的に「公募」といいます。公募には、有価証券発行者自ら勧誘を行う「直接公募」と、
第三者に委託する「間接募集(委託募集)」があります。
■公募増資
広く一般の投資家を対象に新株を発行、募集を行う方法です。発行価格は、株式流通市場における
時価を基準とするのが一般的です。公募増資は、より多くの投資家に株主になってもらうために
用いられる方法です。
■コールオプション
オプション取引において、買う権利のこと。
■小型株
発行済み株式数が少ない銘柄をいいます。逆に、株数が多い銘柄は「大型株」と呼ばれます。
東証一部上場企業の場合、上場株式数が2億株以上を大型株、6000万株以上2億株未満を中型株、
6000万株未満を小型株と分類しています。
■国債(JGB、Japanese Government Bond)
国が発行する債券で、償還期限によって、超長期国債(20年)、長期国債(10年)、中期国債
(6年、5年、4年、2年)、短期国債(6ヶ月以内)に区分されています。また、国債には、財政法に
基づいて公共事業の財源に充てるために発行される、いわゆる“建設国債”と、公債特例法に
基づいて一般会計歳入の不足を補填するために発行される、いわゆる“赤字国債”のほか、
国債整理基金特別会計法に基づいて既存の国債の償還資金を調達するために発行される
“借換国債”があります。なお、このほかに、財政上の一時的資金繰りを賄うために発行される
融通債として政府短期証券があり、現在、大蔵省証券、食糧証券及び外国為替資金証券が
発行されています。また、国債には、利札を付けて発行する“利付国債”と、利札がなく利子相当額を
割り引いて発行する“割引国債”があり、償還期限5年の中期国債、短期国債及び政府短期証券が
割引債の形で発行されています。
株式・金融

P.43

■個人株主
株式を保有する個人投資家のことをいいます。全国の証券取引所の調べでは、2003年3月末時点の
個人株主の延べ人数は、前年比25万人増の3377万人と7年連続で増えています。少額から
購入できるように投資単位を引き下げる企業が増えたことが追い風になっています。
■個人向け国債
金融機関中心の国債保有者層の幅を広げるため、財務省が個人投資家に対象を限って今年から
販売している国債のことです。満期十年の変動利付き国債で、当初は買いが殺到しましたが、
その後、低金利を理由に売れ残りが発生するなど人気は低迷していました。
■債権
国、地方公共団体、政府関係機関、特殊金融機関、事業会社などが資金を調達する際、
その見返りとして、調達元本の返済や利子の支払いなどの条件を明確にするために発行する
有価証券のことです。発行者によって、国債、地方債、社債などに分類される他、返済までの
期間によって長期債、中期債、短期債と分類されます。また、利払いの方法によって確定利付債、
変動利付債、割引債などに分けられます。
■最終決済
取引最終日まで転売・買戻しにより決済されなかった建玉*(たてぎょく)を、取り決めた値段で取引し、
決済することをいいます。
※建玉(たてぎょく)とは、信用取引や先物・オプション取引で未決済になっている契約の総数の
ことをいいます。
■自益権
株主の権利として、配当を受けることの権利など、その株主個人の利益だけに関係する権利のこと
です。
■時価発行
新株式を発行する際、発行価格を額面金額とせず、旧株(既に発行済みの株式)の時価を基準と
した価額で発行することをいいます。時価発行を公募で行う場合、価格決定日から払込日までの
株価の変動を考慮して、ある程度のディスカウントをして価格を決定しています。かつては、
額面発行増資が主流でありましたが、昭和40年代後半からは公募時価発行増資が主流となって
います。
■自己売買
証券会社、銀行など証券業に従事する機関が自分自身の勘定で証券の売買を行うことです。
株式・金融

P.44

■社債
一般の事業会社が資金調達のために発行する債券のことをいいます。社債には、普通社債と
新株予約権付社債があります。通常は、さらに細分化して「電力債」(電力会社が発行する債券)、
「一般事業債」などに区分されます。普通社債と新株予約権付社債があります。
■収益分配金
投資信託において、決算日に投資家に支払われる分配金のことです。期間内の運用益から
信託報酬などの経費を差し引き、運用会社が定めた分配方針に基づいて決定されます。
型投資信託の場合、課税対象となる普通分配金と、課税対象とならない特別分配金があります。
現在の税法においては、2重課税を防ぐ目的から、投資信託の運用期間中に生ずる利益には
課税されません。あくまでも、決算で確定した利益を、収益分配金として投資家に還元し、はじめて
課税されます。その際に、株式投信の場合は配当所得、公社債投信の場合は利子所得として20%の
源泉課税がおこなわれます。ファンドの種類により、分配金が支払われるもの(=分配型)、
再投資されるもの(=無分配型)があります。
● 単位型投資信託
購入は募集期間に限られ、資金の途中追加はできない運用期間があらかじめ決められている
投資信託のことです。決算期末に元本を上回っている場合には、公社債型・株式型にかかわらず、
経費を差し引いた後の利息配当収入か、元本超過額のどちらか多い方を限度として、収益分配金が
支払われます。元本を下回っている場合には、経費を差し引いたあとの利息配当収入の範囲内で
分配金が支払われることがあります。
・単位型
┗ 定時定型
毎月同じ性格で設定されるファンド
┗ スポット
その時の情勢に合わせて設定されるファンド
● 型投資信託
・型公社債投資信託
決算日に期末の基準価額が1円もしくは1万円を上回る部分は、全て分配されます。決算期末に、
全ての収益から経費を控除した残額が全部収益分配金となります。このため、決算日の
基準価額は通常1円、または1万円といった当初の募集価額(元本)と同じになります。MMFは、
毎日決算の型投資信託ですが、こうした作業が毎日行われ、毎日分配金が確定されます。
(実際の再投資は月末に行われます)
・型株式投資信託
普通分配金と特別分配金に区別されます。
■証券アナリスト
投資理論、財務分析、経営者へのインタビューなどをもとにして、株式などの投資価値の分析を
提供する職業のことです。多くの人は証券会社や運用会社の調査部門に所属しています。
株式・金融

P.45

■証券金融会社
証券取引法の規定により金融再生委員会の免許を受けた会社で、制度信用取引の決済等のために、
証券取引所の会員である証券会社に対して、取引所の決済機構を通じて有価証券及び資金の
貸付けを行う貸借取引を、主要業務としています。証券金融会社は、このほかに証券会社や
個人向けに証券担保金融も行っております。現在、証券金融会社は、日本証券金融、
大阪証券金融及び中部証券金融と全国に3社あります。
■証券取引所
株式等を集中的に売り買いする専門の場所のことです。日本では東京、大阪、名古屋、札幌、
福岡にあり、そこでは、一定の資格を持った「証券会社」を通じて株式等が売買されています。
■証券取引等監視委員会
証券市場を監視し不正取引を摘発するための組織で、1992年に当時の大蔵省の付属機関として
発足しました。現在は、金融庁傘下の組織となっています。米国ではSEC(Securities and Exchange
Commission)という独立した組織となっており、規模や権限などの面で日本とは大きな差があります。
■上場
証券取引所が、ある企業の発行する株式などの有価証券を証券取引所で売買することを承認する
ことです。
■上場株
証券取引所に上場されている株式のことです。株式の上場は、証券取引所で発行済み株式数・
株主数・純資産・利益・配当などについて上場基準を満たしているかどうか審査した後、大蔵大臣が
承認します。
■商品ファンド
商品ファンド法に基づき許可を得た商社やリース会社、商品取引会社、証券会社などが販売して
います。組成形態により信託型、匿名組合型、リミテッド・パートナーシップ型があり、課税は
信託型は20%の源泉分離だが、それ以外は雑所得扱いの総合課税となります。手数料の仕組みは
投資信託とほぼ同じで、購入の際に投資金額の1~2%程度の販売手数料が必要になるほか、
運用期間中にも商品投資顧問業者などへの報酬が運用資産から支払われます。このため、
ファンドによっては手数料がかなりの負担になるものもあります。
株式・金融

P.46

■除数
日経平均を計算するときに、指数の連続性を持たせるために(除数の修正方法)前日の
株価合計/前日の除数=(前日の株価合計±当該新株落ち分等合計)/新除数例えば、A株100円、
B株200円、C株300円が3銘柄で指数を構成していると仮定します。このC株が10割分割(増資)を
行い、翌日の株価が、150円になった場合、上記の式にあてはめますと(100+200+300)/3=
(100+200+300-150)/新除数したがって、新除数は2.25となります。修正に使う数のことです。
日経平均は昭和24年を基準として作成されました。新株落ち、減資、銘柄の入替えが生じると
指数の連続性が保てないため、除数は以下のような修正方法で計算されます。
■新株
増資や株式分割などで株式を発行した後、最初の決算期までの期間の株式のことです。旧株との
違いは、配当金に対する権利関係の相違によるものです。決算期を迎えなくとも権利関係が同一で
あるならば、必ずしも区別されないこともあります。
■新株落ち
株主割当有償増資や株式分割を対象とした権利落ちを新株落ちと呼びます。有償増資の
新株引受権の割当日や、株式分割の権利確定日の3営業日前から、新株落ちとして売買を行います。
■新株予約権証券(ワラント)
行使期間内であれば、発行会社の株式を一定の価格で取得できる権利を表象した証券のことを
いいます。この権利が付いた社債を新株予約権付社債といいます。
■新株予約権付社債
2002年4月の商法改正により新設された、社債に新株予約権が付与された債券のことです。
新株予約権を行使期間中に行使することにより、一定の価格で発行会社の株式を取得することが
できます。なお、商法改正前の転換社債は「転換社債型新株予約権付社債」と呼ばれます。
■公開(IPO、Initial Public Offering、株式公開)
株式会社において、オーナーやその家族など少数の特定株主のみが株式を保有して株式の自由な
流通ができない状態から、不特定多数の投資家が参加する市場で株式の売買が行われるように、
市場に新たに株式を供給することをいいます。以前からの株主に保有されている株式を市場に
放出する「売出」と、新たに株券を発行して市場からに資金を調達する「公募」がありますが、
通常の公開においてはこの両方が同時に行われることが多いといえます。不特定多数の
投資家から資金を募る以上、公開された会社は証券取引法などの法令によって企業の
業績などの定期的な開示(ディスクロージャー)が義務付けられる一方で、成長に必要な資金の調達、
知名度の向上による人材の採用などメリットも多く、近年株式の公開を目指す会社が急増して
います。
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■申告分離課税
源泉分離課税では売却時に税金が自動的に差し引かれるのに対し、納税者が税務署に申告する
必要があります。手続きが煩雑なため、現在は取引件数の約3割が選択しているにすぎません。
本来は売買報告書など根拠のある取得価格を基に株式の譲渡益を計算しなければなりませんが、
今回の改正案で2010年末までは、株式の取得価格を2001年10月1日時点の時価の80%相当額と
みなせる特例が設けられました。2011年以降、取得価格が判然としない場合は時価の5%とされ、
時価の95%が譲渡益と見なされます。
■共益権
株主の権利として、議決権など、その権利を行使した際に、株主全体の利害に影響する権利の
ことをいいます。
■子会社上場
上場申請会社が親会社等を有している場合の上場を子会社上場といいます。その際、
上場審査に当たっては株券上場審査基準第2条の第1号から第3号に加え、申請会社の
親会社等からの独立性確保の状況について株券上場審査基準第2条第4号(a)の基準に
適合しているかどうかを確認することとなります。なお、親会社等には基本的には
上場申請会社の親会社及び上場申請会社の発行済株式総数の20%以上を所有している
会社が該当することとなっています。
■個人持株比率
会社の株式を個人株主が、どの程度所有しているかを示す指標です。
■自己株式
自社株式のことをいいます。商法では、自己株式の取得を自由に認めると、会社の財産的基礎を
危うくするおそれがあることなどから、会社が自己株式を取得することを原則として禁止していますが、
平成6年の商法改正により、
・利益による株式消却のために行う自己株式取得の手続きの緩和が図られ、
・使用人(従業員持株会を含む。)への譲渡のための自己株式取得などが認められました。
また、平成9年の商法改正により、自己株方式のストックオプションの権利行使時のための
自己株式取得及びその保有が最長10年間まで認められました。なお、証券取引法においては、
会社の自己株式の取得の決定は、内部者取引規制上の重要事実として規定されており、
東京証券取引所としても、投資情報としての重要性に鑑み、上場会社に対して自己株式取得の
決定についての適時開示を要請しています。
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■自社株買い
会社は、剰余金で消却目的の為に自社株を取得することがあります。自社株消却によって
発行済み株式数を減らすことは、1株当たり利益、株主資本利益率(ROE)を高めることになります。
また、市場に出回る株式数も減るので、適正株価の維持に役立ちます。
■従業員持株制度
会社がその従業員に自社株を保有してもらうための制度です。この制度の目的としては、
・福利厚生の一環として従業員の資産形成を図ること、
・従業員の経営参加意識を高めること、
・安定株主を形成すること、などがあげられます。
この制度は、従業員持株会という常設機関を設立して運営され、会員である従業員から毎月
一定額を拠出してもらい、株式を共同購入して、拠出額に応じて持分を配分するというのが
一般的です。
■召集特定者持株数
大株主上位10名及び特別利害関係者(役員、その配偶者及び2親等内の血族、またそれらの者に
よって発行済株式総数等の過半数が所有されている会社、並びに上場申請会社の関係会社
及びその役員)が所有する株式の総数のことで、いわば市場で流通する可能性の低い株式数の
ことをいいます。株券上場審査基準では上場時に上場株式数に対する少数特定者持株数の比率を
75%以下とすることが定められています。
■ストップ高・ストップ安
取引所では、それぞれの銘柄の1日の値幅(値段が動く範囲)を、前日の終値を基準にして、一定の
幅にするように規制しています。この規制の限度いっぱいまで値上がりすることを「ストップ高」、
限度いっぱいまで値下がりすることを「ストップ安」といいます。1日の値幅の範囲は、株価の何%と
いう決め方ではなく、前日の終値がいくらからいくらまでの株の場合は、何円というふうに決まって
います。(例えば、前日の終値が100円以上200円未満の場合には、その日の制限値幅は50円、
200円以上500円未満の場合には、80円というふうになっています)
■成長株
多少の変動はあっても、企業の業績と株価が持続的に伸びていく株のことです。
株式・金融

P.49

■ソルベンシーマージン(solvency margin)
「支払余力」を意味します。生命保険会社は、将来の保険金などの支払いに備えて責任準備金を
積み立てているので、通常予想できる範囲のリスクについては十分対応できます。しかし、環境の
変化などによって予想もしない出来事が起こる場合があります。例えば、大災害や株の大暴落など、
通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断する
ための行政監督上の指標の一つがソルベンシーマージン比率です。この比率は経営の健全性を
示す一つの指標だが、この比率だけをとらえて経営の健全性の全てを判断することは適当では
ありません。なお、生命保険会社のソルベンシーマージン比率が200%を下回った場合には、
監督当局によって早期に経営の健全性の回復を図るための措置がとられます。ただ、200%を
上回った保険会社が相次いで破綻した経緯から基準値の一層厳しい見直しがせまられています。
計算式:ソルベンシーマージン比率(%)= ソルベンシーマージン総額×100
リスクの合計額×0.5
・ソルベンシーマージンの主なもの
基金(資本金)、価格変動準備金、危険準備金、貸倒引当金、株式含み益、劣後ローンなど。
■第1部市場・第2部市場
東証、大証、名証には、第一部市場と第二部市場があります。最初は、二部市場に上場し、
二部上場後1年以上経過し、発行株式数や株主数などが一定の基準を満たせば一部市場に
指定されます。反面、一部上場銘柄でもディスクロージャーや株主数が一定の基準以下になって
しまうと二部へ指定替えされます。この場合1年間の猶予を設け、その間にその会社が努力して
基準を満たせば一部に残ることができます。
■第2部株価指数
市場第二部全銘柄を対象に計算された株価指数です。
■他社株転換社債(EB)
上場銘柄株を対象に選び、株価が事前に決めた価格を上回れば、元本と高い利息が得られる金融
商品のことです。その反面、株価が下回ると、利息を受け取れなかったり、対象となった株で現物
償還されたりして、元本割れする可能性があります。1998年の証券取引法改正で販売が始まり、
低金利時代で資産運用に悩む個人投資家の間で人気が沸騰しましたが、株価下落で損失を被った
投資家の苦情が相次ぎ、証券取引等監視委員会が調査を開始しました。株価を引き下げ利息を
受け取れなくしたり、顧客に著しく不利な内容のEBを売ったりした証券会社が処分勧告を受けました。
株式・金融

P.50

■単価
債券にも価格がある。通常「額面100円に対していくら」という表示になっています。しかし日々価格は
変動していきますので、購入の際の単価は額面100円と一致しません。単価が額面と同じ100円の
時、その債券を”パー”単価が100円より超えると、その債券を”オーバーパー”、単価が100円未満の
時、その債券を”アンダーパー”と呼びます。なお欧米では、額面を100%として、それに対する
パーセンテージで示すのが一般的です。
■地方債
都道府県、市町村などの地方公共団体が発行する債券をいいます。一般の不特定多数の投資者が
対象の「公募地方債」と、発行者の指定金融機関や共済組合など特定対象を持つ「非公募地方債
(縁故地方債)」があります。
■チャート分析
価格、出来高などの推移を図示(チャート化)することにより、トレンドやパターン等を認識し、
現在位置や将来の動きを読み取ろうとする分析のことです。最近では株式相場だけでなく為替、原油、
金利などにも応用されています。代表的なチャートにはローソク足、ポイントアンドフィギュア、
サイコロジカル・ライン、RSI、一目均衡表などが挙げられます。
■中型株
資本金の大小ではなく、発行済み株式数の大小で、大型株と中型株と小型株に区分されています。
当然、発行済みの株式数の多いものが大型株で、少ないものが小型株です。発行済み株式数で
区分し、2億株以上が大型株、6,000万株以上2億株未満が中型株、6,000万株未満が小型株に
該当します。
■外国債(外債)
外国政府、外国法人、国際機関の発行する債券のことです。単に「外債」と呼ばれることもあります。
日本の企業などが海外で発行する債券も外債と呼ばれ、一般に発行者、発行市場、通貨のいずれ
かが海外である場合には外債と呼びます。
■乖離率
CBの価格が理論通りに動くとすると、CBの時価とパリティ(理論価格)は常に一致します。しかし、CB
と株式には利回りの差があることや、値動きにタイムラグがあることなどによって、時価がパリティを
上回ったり下回ったりします。この時価とパリティとの差を乖離といい、時価がパリティより何%高いか
低いかを示した指標を「乖離率」といいます。例えば、転換価格が1,000円、株価が1,300円のCBの場
合、パリティは130円、CBの時価が140円だとすると、
乖離率={(140円-130円)÷130円}×100=7.69%となります。
一般に、乖離率が小さい(マイナスの場合も含む)ほど、CBの時価は株価と密接に連動しており、妥
当な価格で売買されているといえます。なお、CBの時価がパリティよりも高い状態を順カイリ、逆に、
パリティよりも低い状態を逆カイリといいます。
株式・金融

P.51

■中間期末株価
企業が年度の中間でまとめる6ヶ月間の決算時点での株価で、株価の低迷による金融機関の経営
悪化などを推し量る指標となるため、注目度が高まっています。銀行や生命保険会社は、企業との
持ち合いなどで、大量に株式を保有しています。株価が上昇している局面では、時価が株式の
取得時の価格を上回って含み益が生まれ、それが不良債権処理の原資となってきましたが、株価の
長期低落で、逆に含み損が拡大しています。3月決算の銀行などは、保有する株式の含み損を、
中間期末である9月30日の株価の終値か、9月1ヶ月間の終値の平均値をベースに確定します。
■中期国債ファンド
期間2~5年の中期国債を中心に、利付金融債、コール・手形市場等で運用する型投資信託の
ことで、株式には一切投資しません。毎日分配金を計算し、毎月末に再投資します。中国ファンドは
80年に登場した短期運用向けの公社債投信で、かつては利回りが預金金利と連動していました。
安全性が高く1ヶ月以上過ぎれば手数料なしで解約できることから人気を集め、証券会社と
金融機関の垣根を超える提携の起爆剤にもなりました。残高は7兆9300億円です。
■型投資信託
決算日に期末の基準価額が1円もしくは1万円を上回る部分は、全て分配されます。決算期末に、
全ての収益から経費を控除した残額が全部収益分配金となります。このため、決算日の基準価額は
通常1円、または1万円といった当初の募集価額(元本)と同じになります。MMFは、毎日決算の
型投資信託ですが、こうした作業が毎日行われ、毎日分配金が確定されます(実際の再投資は
月末に行われます)。
・型株式投資信託
普通分配金と特別分配金に区別されます。
■ディスクロージャー
企業が投資家や株主、債権者などの利益を保護するため、一般に対して広く経営状況等を広く
公開することをいいます。積極的に「ディスクロージャー」を行わない会社は、会社の内容を
分析しづらいため、アナリストなどの評価が低くなることがあります。また、決算の内容、新技術の
開発や合併・買収など、株価に影響を与えるような重要情報については、事前に特定の人にだけ
情報を漏らしてしまうと「インサイダー取引」となる可能性がありますので、できるだけ速やかに
公表する必要があります。
■手形
商品の売買取引で、将来の決められた期日に代金を支払うことを約束した有価証券の一種です。
手形を受け取った企業は、金融機関に手形を持ち込み、決済期日までの金利分を差し引いた現金を
受け取ることができます。これを「手形の割引」といいます。
株式・金融

P.52

■デフォルト(債務不履行)
債券の元利金が契約通りに支払われないこと。
■デリバティブ(派生商品)
株や債券などの原資産そのものの取引ではなく、原資産から派生した商品のこと。株価指数や
国債の先物取引やオプション取引などがあります。
■転換社債型新株予約権付社債(CB、convertible bond)
転換請求期間内であれば、あらかじめ定められた転換価格で株式に転換できる債券のことです。
転換社債は、社債の一形態ですから確定利付債としての利息収入を毎期得られる他、株価との
連動商品という特徴から時価の変動の影響を受けることになります。
■転換社債の転換価額
転換社債を株式に転換する場合の1株当たりの価額のことです。転換価額は、発行会社と
証券会社の間で締結される引受契約の調印日当日の証券取引所の株価終値を基準に、若干の
アップ率を乗じて決定されるのが一般的です。
■店頭株式市場
米国のナスダックに対してジャスダックと呼ばれることもあります。
■店頭登録
証券取引所に株式を公開することを上場というのに対し、日本証券業協会に登録し株式公開を行う
ことを店頭登録といいます。店頭登録に当たっては、日本証券業協会の定める「公正慣習規則第2号
店頭売買銘柄登録及び値段の発表に関する規則」および「同規則に関する細則」に定められている
登録基準に適合することが必要となります。
■店頭登録株
証券会社の店頭で売買される、という意味で「店頭登録株」と呼ばれています。実際は、
日本店頭証券㈱と各証券会社を結ぶJASDAQ(株式店頭市場システム)により、コンピュータによる
オンラインで処理されています。店頭登録は日本証券業協会で承認後、大蔵大臣に届け出ます。
店頭登録基準は上場基準より緩やかであるため、近年急成長した業種の企業或いは、
小規模企業が多くなっています。
株式・金融

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■店頭売買有価証券市場
店頭売買有価証券市場とは、店頭登録有価証券の流通の円滑化、取引の公正性確保および
投資者保護を目的として、日本証券業協会が開設する市場のことをいいます。
■店頭売買有価証券市場
店頭売買有価証券市場とは、店頭登録有価証券の流通の円滑化、取引の公正性確保及び
投資者保護を目的として、日本証券業協会が開設する市場のことをいいます。
■店頭有価証券
本邦法人が本邦内において発行する証券取引所に上場されていない株券、新株引受権証書、
新株引受権証券、新株引受権付社債券及び転換社債券をいいます。
■転売・買戻し
決済のために買建玉を売付けること(転売)、または、※売建玉を買い付けること(買戻し)をいいます。
※買建玉(かいたてぎょく)と売建玉(うりたてぎょく)取引で買付けをして未決済のものを買建玉、
逆に売付けをして未決済のものを売建玉といいます。
■投資ファンド
機関投資家などから資金を集めて、不良債権売買や企業買収などを行う組織のことです。不動産の
転売や賃貸収入、事業再編などで、企業の価値を高めたうえで転売するなどして高収益を上げます。
近年、日本の不良債権市場には、外資系企業が積極的に参入しています。
■買い残・売り残
信用取引の残高で証券取引所より公表されているもので、買い方の残高を買い残といい、売り方の
残高を売り残といいます。
「買い残」は将来の株券の供給要因といえるので、残高の大幅な増加は株価にとってマイナス要因で
あります。しかし、増加の初期の段階では人気のバロメーターとして評価されることもあります。
逆に「売り残」は需要要因といえるので残高の大幅な増加は株価にとってプラス要因であります。増
加分が反対売買で決済されるのであるならば買戻しされるからです。
買い残と売り残を総称して、信用残といいます。
株式・金融

P.54

■東証株価指数(TOPIX)
東京証券取引所が発表している株価指数のことをいいます。東証第一部の全銘柄の時価総額の
変化を表したもの。1968年1月4日の時価総額を100として計算しています。
計算式:比較時価総額÷基準日時価総額×100
1968(昭和43)年1月4日の時価総額を100として計算しており、日経平均株価とならんで、重要な指数
の1つとなっています。
● 特性
・東京証券取引所第一部上場株式市場の動向の把握。
・機関投資家の運用成績の評価尺度。
・日本株のベンチマークとして最も普及している。
・東京証券取引所第一部の全銘柄を対象にした時価総額インデックス。
・サブインデックスとして、規模別株価指数、業種別株価指数、第二部株価指数、時価総額・
流動性別株価指数がある。
・一部、※小型値がさ株の価格変動によって指数が大きく影響を受けることがなく、現物バスケット
売買による相場操縦に対して強靭である。
● 構造
・種類
時価総額加重平均。
※小型値がさ株とは、小型株に分類される、値がさ株のことをいいます。値がさ株とは株価の高い
株をいいます。反対に安い株を低位株といいます。
■劣後債
発行体が破綻した際に、元利金の返済が一般の債権者よりも後となる債券のことです。。銀行にとっ
ては、一定分を自己資本に組み込むことができるので、資本増強に有用であるとされている。
金融安定化策の一環として、優先株式と並んで発行されるケースが多い。
株式・金融

P.55

■督促手続き
金銭や有価証券などの支払いを目的とする請求について、選択可能な訴訟手続の1つです。
債権者の申し立てによって、債務者を管轄する簡易裁判所の書記官が、債務者を審尋せずに
発します。所定の期間内に債務者が異議を申し立てないときは、債権者の申し立てによって
仮執行が宣言されます。さらに、一定期間内に債務者が異議を申し立てない、または申し立てても
不適法として裁判所が却下した場合、仮執行宣言が付いた支払督促は、確定判決と同じ効力を
持ちます。
■特定口座
投資家が証券会社1社ごとに1口座設けることができます。個人が上場株式等を売却した場合の
株式等譲渡益課税制度が2003年1月から変わりました。証券会社に特定口座を開設すると、
その特定口座内における上場株式等の売却による所得の金額については、他の株式等の
売却による所得と区分して計算することができます。この計算は証券会社が行い、証券会社から
送られてくる『年間取引報告書』により、簡便に申告を行うことができます。また特定口座内で生じる
所得に対して源泉徴収することを選択した場合には、その特定口座における上場株式等の
売却による所得は申告不要とすることができ、事実上源泉徴収制度と同様の効果を得ることが
できます。
■取引所有価証券市場
取引所有価証券市場とは、上場有価証券の売買等のために、証券取引所が開設する市場のことを
いいます。
■ドルコスト平均法
市場の上昇傾向にあるまたは下落傾向にあるにかかわらず、一定時間間隔で同一投資商品に
同一金額だけ投資する戦略のことで、価格が高い時には少ない口数、価格が低い時には多くの
口数を買うことになるため、平均取得価格の平準化が可能となります。
■ドル預金
日本の銀行窓口では、預け入れ、引き出しとも円で行うのが普通で、ドルの現金での出し入れは
手数料が割高となります。定期は基本的に中途解約できませんが、自動継続できる。普通預金は
解約自由です。預金保険の対象外で、金利には一律20%源泉分離課税され、老人マル優は
適用されません。為替差益は雑所得とされ、年間所得が2000万円以下なら年間20万円まで
申告する必要がありません。為替予約に適用されるレートは、円・ドルの金利差を相殺する方向で
決まります。
株式・金融

P.56

■入札価格
企業が株式公開を行う場合、事前に投資家に向けて一般入札が行われます。その入札価格を
基にして売出し価格が決められ、証券取引所や店頭市場での売買取引に先立って、一定数量が
一般投資家に売り出されます。このため、入札結果は投資判断の有力な情報の1つになっています。
■ノーロード・ファンド
売買時に手数料がかからない投資信託のことです。
■売買回転率
流通市場の規模や活発さを表す重要な指標として、売買高があります。しかし、売買高は、
上場株式数の増加とともに増加する傾向があるため、ある市場の状況を過去と比較したり、他の
市場の状況と比較する際には、必ずしも売買高を用いることが適切でない場合があります。そこで、
売買高を上場株式数で除すことにより、上場株式数の多寡による影響を補正したものが、
売買回転率で、算出式は以下の通りです。
計算式:売買回転率=(期間)売買高÷(期間)平均上場株式数÷100
ただし、平均上場株式数=(期初上場株式数+期末上場株式数)÷2 売買回転率は、月次及び
年次の数値が、「東証統計月報」、「証券統計年報」、「東証要覧」などに掲載されています。
■売買代金
市場全体、または個別銘柄の売買の代金の合計で、やはり相場の勢いを見る指標となります。
■空売り
株券を持たず、あるいは、持っていてもそれを使用せずに、他から借りて行う売付けをいいます。
空売りは、近い将来に予想される株価下落にそなえ、現在の株価で売り、値下がりしたところで買っ
て他から借りていた株券を返済しようという意図で行われます。また、空売りには、株価の下落を狙っ
た投機的なものと、株価下落による所有株の損失をヘッジするつなぎ売りの2種類があります。
※つなぎ売り:ある株式について値下がりが予想された場合などに、現物株式を売却せずに、信用
取引で空売りすることです。
■買い越し・売り越し
買い越しとは、ある特定の売買主体(個人投資家など)が、一定期間内に、売却した株式(金額)を超
える買付けを行った状態のことです。
売り越しとは、ある特定の売買主体(個人投資家など)が、一定期間内に、買付けた株式(金額)を超
える売却を行った状態のことです。
株式・金融

P.57

■売買単位
各銘柄にはそれぞれ売買するときの単位が決められています。1株で買えるものもあれば、100株、
500株、1000株という単位のものもあります。最近では、この売買単位を引き下げて個人投資家が
買いやすくするという措置を講じる会社も多くなっています。
■ファイナンス
企業の資金調達のことです。銀行などからの借入金もファイナンスですが、株式がらみでは一般に
新株発行を伴う資金調達のエクイティ・ファイナンスのことをいいます。この他、普通社債、転換社債、
ワラント債などを発行して資金調達をすることも含めます。ファイナンスの実施は本質的には
高成長企業の証といえます。その理由を2つ挙げると、
① ファイナンスを行うにはクリアしなくてはならない厳密な条件があります。それをクリアしたという
ことは一定のルールに基づいて選ばれた企業と見なせます。
② 事業の拡大などに伴って資金が必要になっていることから、資金需要が旺盛であることが
証明されます。結果、将来の高い成長率が見込めます。また、これらの高成長企業は
株主還元策も積極的に実施する傾向にあります。増配や株式分割などがあります。特に、
株式分割は持ち株数の増加に直結します。
投資家にとっては、値上がり益に並ぶ株式投資の大きな魅力です。ただし実際、全てのファイナンス
企業が高成長企業とはいえません。バブル期には多くの企業がファイナンスを実施しました。本来
ファイナンスをする状況にない、あるいは必要のない企業までファイナンスを実施したため、需給が
悪化した銘柄もあります。近年は、本当に必要とする企業がファイナンスを行う傾向に戻っています。
ファイナンスと株主還元をセットにした企業が増えつつあり、有望銘柄を発掘するための目安と
なります。
■ファンド
証券会社が、一般の人からお金を集め、それを金融、証券市場で運用し、得た利子、配当金、
値上がり益などをお金を預けた人に還元する制度のことです。
■ファミリー・ファンド方式
マザーファンドとベビーファンドで構成される投資信託の方式のことで、複数のベビーファンドが
マザーファンドに投資し、一つのファンドとして合同運用されるとともに、マザーファンドの成果は
その受益証券を通じてベビーファンドに配分されます。
■ファンドアナリスト
知識・経験を活かして、ファンドの分析や評価を行い、投資家に有益な情報を提供する専門家の
ことです。
株式・金融

P.58

■ファンドマネージャー
ファンドの運用を行う専門家のことです。
■ブックビルディング(BB)方式
株式の発行の際、発行会社は、機関投資家等の意見をもとに発行価格の価格帯である仮条件を
設定します。投資家は、その仮条件をもとに需要申告をします。発行会社はその需要申告をもとに
発行価格を決定します。この方式をブックビルディング方式といい、専門性の高い機関投資家の
意見と投資家の需要を把握することにより、市場動向に沿った発行価格を決定することができます。
■プットオプション
オプション取引で、ある商品を将来のある期日までに、その時の市場価格に関係なくあらかじめ
決められた特定の価格(=権利行使価格)で売る権利を売買する取引のことプットオプションの
取引は、買方(=売ることができる権利を買う)と売方が同時に存在します。に取引を開始する
際には、買方はプレミアムを支払い、一方売方はプレミアムを受取る。その後決済時等に、買方が
権利を行使すると、対象とする商品を権利行使価格で手に入れることができます。一方、売方は
この権利行使に応じなくてはならないです。
■普通社債
株式を発行させる権利が付いていないため、社債の中で最も借入れに近いものをいいます。
■プライマリーバランス
国債(公債)の償還・利払い費を除く歳出と、国債発行を除く歳入(税収など)を比較した数字のこと
です。歳入が歳出を上回る黒字になれば、税収などの一部を国債の償還にあてられることになり、
国債残高の減少につながります。
■不良債権
融資先の企業が破たんしたり、経営難に陥るなどして回収困難になっている貸出金を指します。
利息の支払いが滞って収益を生まない不良資産であり、金融機関の経営の重荷となっています。
金融庁が金融機関に開示を求めている不良債権(リスク管理債権)の総額は、2000年9月末で
約31兆8000億円にのぼります。
株式・金融

P.59

■プレミアム
オプション取引におけるオプションの対価(その権利の価格)のことです。
■分配金
投資家の皆様からお預りした投資資金を運用によって得られた、ファンドが生み出した収益等を
分配するもので、決算時に行われます。ただし、基準価額が高いからといって必ずしも行われる
ものではありません。分配の対象となる収益の源泉としては、
① 株式配当、公社債利子などの配当等収益(インカムゲイン)
② 株式等の有価証券の売買損益・評価損益(キャピタルゲイン)
の2つがあります。分配金がどのくらい支払われるかは、ファンドマネージャー(運用会社)の裁量に
よります。場合によっては分配をしないこともあります。また、ファンドが生み出す収益は日々の
基準価額に反映されていますので、分配金という形で収益が還元されるかどうかで、投資家から
見た有利不利があるわけではありません。なお、分配金が支払われる場合には、決算日の
基準価額は通常、分配金支払いに伴う下げを反映したものになります。
■ボラティリティ
基礎商品の価格変動の度合いを表したものです。ボラティリティが大きいと、価格の変動性が
大きいということになります。過去の価格の変動から求めたものをヒストリカル・ボラティリティ(H.V.)と
いい、実際にオプション取引が成立した時のオプション価格から、ブラック・ショールズ・モデルに
代表される理論式を用いて逆算したものをインプライド・ボラティリティ(I.V.)といいます。
■本人確認法
「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」のことです。従来、金融機関等(銀行、
証券会社、郵便局等)における口座開設時などにおいての本人確認については、各業界ごとの規則
に基づき行われていましたが、平成15年1月より、この法律が施行されました。これにより、全ての
金融機関等が、この法律に則った本人確認をするための書類を確認することが必要となりました。
この法律の目的は、顧客等の本人確認および取引記録の保存に関する措置を定めることにより、
テロ・組織犯罪等のための資金提供が、金融機関等を通じて行われることを防止するために、
金融機関等の顧客管理体制の促進を図ることです。
・本人確認書類
証券会社で口座を開設する際、仮名・借名取引を防ぐために、口座開設者が本人であるか
どうかの証明が必要です。氏名・住所・生年月日が記載されている住民票や免許証、
健康保険証がその証明として有効になり、それらを本人確認書類といいます。
■マーケット
特定の金融商品が売買される市場のことです。
株式・金融

P.60

■未公開株式
取引所やジャスダックに上場していない株式のことです。通常は、個人投資家は売買することが
できませんが、日本証券業協会の運営しているグリーンシート市場に登録している銘柄については、
未公開株でも売買することができます。
■ミニ株
売買単位の1/10で株式を買える手法のことです。
■無額面株式
額面株式に対して額面金額の定めがない株式をいいます。株式としての権利の内容は額面株式と
全く変わるものではありません。なぜ存在するかというと、そもそも株式は時価で売買されることが
ほとんどで、さらに最近では額面金額で払い込む額面増資が少なくなり、時価で払い込む
時価発行増資が増えていることから、額面金額が50円などと定められていてもその意味が薄くなって
いるからです。
■目論見書
有価証券を募集あるいは売出しをする際に、投資家の投資判断の基となる情報を提供するために、
有価証券の発行者が証券取引法に基づいて記載・交付する書類のことです。目論見書には、
事業内容、資本構成、財務諸表等の他、調達資金の使途、発行する有価証券の情報(発行総額、
発行価格、利率、払込日、満期日など)が記載されています。どういう場合に「目論見書」を
発行しなければならないかは、法律で決められています。目論見書はかなり厚い文書なので
読みづらいものですが、投資のための重要な情報が書かれていますので、投資する前によく
読んでおく必要があります。
■みなし配当課税
商法上の利益配当に当たらないものでも、所得税法上は配当とみなして課税対象とされるものです。
通常の配当とは異なる一定の事実のもとで、金銭等の交付を配当とみなして、通常の配当と同様
20%の所得税が源泉徴収されます。
例えば、会社が株式の消却をした場合、発行済み株式総数は減少しますが、資本金は変更されない
ので、1株当たりの資本金は増加します。この増加分が配当とみなされて課税されます。
株式・金融

P.61

■元引受証券会社
有価証券の募集または売出しに関して有価証券の発行会社と元引受契約を締結する証券会社、
または外国証券会社のことをいいます。なお、証券取引所の規則においては、これらの証券会社、
または外国証券会社が証券取引所の会員である場合には元引受会員と称することもあります。
■約定
執行された注文の売買が成立することです。
■安値と高値
株式の値段(株価)は時々刻々と動いていますが、ある期間の中で一番高い値段を「高値」、
一番安い値段を「安値」といいます。「前場の高値」といえば、午前中の取引(9時から11時)の中で
一番高い値段、「本日の安値」といえばその日1日の取引の中で一番安い値段をいいます。
「年初来高値(年初来安値)」といえば、その年の1月の最初の取引から直近の取引までの中で
一番高い(安い)値段のことです。新聞などでは、前日の株価について、「始値」「高値」「安値」
「終値」が載っています。これを「4本値」(よんほんね)」といいます。「4本値」によって、その日いくらで
始まっていくらで終ったか、動いた値段の範囲はどうだったか、などがわかります。
■有価証券報告書(有報)
証券取引法第24条により、上場会社、有価証券届出書提出会社、過去5年間に事業年度末日
時点の株主数が500人以上となったことがある有価証券の発行者に対して、事業年度終了後
3カ月以内に提出を義務付けられている書類のことです。有価証券報告書には、事業年度ごとに
営業および経理の状況その他の事業の内容に関する重要事項が記載されています。
■優先株
特定分野で普通株より優先的な取扱が認められている株式のこと。優先的な取扱の条件の組み
合わせによって、普通株式に近いものから、社債に近いものまで、様々なタイプのものがあります。
一般的な優先株である「配当優先株」は、優先的に配当を受け取ることができるが、株主総会で
議決権はなく、配当がなければ議決権が発生します。企業が解散する時に残った財産も優先的に
受け取ることができます。銀行の中核的自己資本に算入できるため、最近では自己資本比率の
低下に苦しむ大手銀行が自力増資の手段として活発に利用していますが、一方で高い
配当負担など銀行が抱えるコストも重いです。
株式・金融

P.62

■るいとう(累投)
株式累積投資制度(るいとう)のことで、わずかな資金で株式投資に参加します。多くの場合、
株式への投資は、まとまった資金が必要となってきます。しかし、そのため多くの個人投資家は
気軽に参加できず、更に、激しい値動きの中で投資のタイミングを的確に判断することは難しいと
いえます。しかし、「株式累積投資」なら、小額の資金しか持たない個人投資家でも、自分で銘柄を
選べ、手軽に株式投資に参加することができます。
■レーティング
リサーチに基づいたアナリストの投資判断のことです。実際に投資をする際の参考データの一つと
なります。
■連結PER<レンケツピーイーアール>
株価を連結1株当たり利益で割ったもののことです。
■ローソク足
陰陽線とも呼ばれ、ある期間の「始値」・「高値」・「安値」・「終値」の4つの値段を、「始値」より
「終値」の方が高い場合は「陽線」と呼び、逆に「始値」より「終値」の方が安い場合は「陰線」と
呼びます。ローソク足のうち、日々の動きを対象とするものは日足(ひあし)と呼び、週単位なら
週足(しゅうあし)、月単位なら月足(つきあし)と呼びます。
■ローディング決算
国債の決済は、これまで5・10日(ごとうび=5日、10日、15日、20日、25日、月末日)に決済する、
特定日集中決済が行われていましたが、決済リスクの削減を図る目的で、1996年9月19日の
約定分からは売買成立日から起算して8日目の日を決済日とすることに移行しました(現在は
短縮されて4日目)。このように約定日から○日後といったように決済日を設定することを
ローディング決済といいます。
■割引債
額面金額より割り引いて発行される債券で、利払いはなく、額面金額で償還されます。発行価格を
額面価格より低くして発行しており、この発行価格と額面価格との差が、利付債でいう利息に
相当します。このような債券の発行形態を割引発行と言い、現在わが国でこの形式で発行されて
いる債券は、割引国債、割引金融債、政府短期証券などがあります。
株式・金融

P.63

■割引債の税制
海外で発行された割引債を償還前に売却した場合、売却益が譲渡所得として総合課税されます。
満期まで持った場合の償還差益は雑所得とされますが、これも総合課税の対象となります。
総合課税の場合、税率は所得額により異なりますが、所得税と地方税で0~50%になります。ただ、
譲渡所得には50万円の特別控除があるため、50万円以内なら税金はかかりません。また、5年を
超えて所有した場合には課税対象額が半額になります。
■割引転換社債
転換社債の発行価格は通常の場合、額面100円につき100円ですが、これに対して発行価格を
割り引いて発行するのが割引転換社債です。例えば、発行価格が92円で償還価額が100円であれば、
投資家は差額の8円を償還時に差益として受け取れます。従って、割引転換社債は利子を付けない
ゼロ・クーポンCBとの組み合わせが一般的です。
■割引率
債券の運用で良く使われる言葉ですが、償還差益の額面金額に対する1年当たりの割合を
パーセントで表したものです。
■割増償還型転換社債
転換社債の償還価格は通常の場合、額面100円につき100円ですが、これに対して償還時に
額面価格を上回る価格で償還するのが割増償還型転換社債です。例えば、発行価格が100円で
償還価額が108円であれば、投資家は差額の8円を償還時に差益として受け取れます。従って、
割増償還型転換社債は利子を付けないゼロ・クーポンCBとの組み合わせが一般的です。
■割安株
会社の価値と比べて株価が低いと見られる銘柄のことです。PBRの低い銘柄のことを割安株と
呼ぶこともあります。
■割安株投資
「割安株」に投資し、株価が企業の価値に見合った水準に戻ることを期待する投資法のことです。
■BB
公開する企業の株式の公募価格を決定する方法の一つです。ブックビルディング方式では、
公開する企業は、まず機関投資家や主幹事証券などと相談し、仮条件と呼ばれる公募・
売出価格帯を決定・発表します。投資家は、仮目論見書などを読み、対象企業の業績や
財務内容等を十分理解した上で、この仮条件の範囲内で自分が支払ってもよいと考える価格で、
購入希望株数を証券会社に申告します。これをブックビルディングに参加する、あるいは需要申告を
行うといいます。
株式・金融

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■MMF(Money Management Fund)
内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用する型公社債投資信託のことです。株式は
一切組入れず、リスクを少なくして安定した利回りを目標とするファンドです。収益分配金は
運用実績に応じて毎日分配し、月末に一括して再投資するので複利効果が期待できます。利回りは
運用実績により変動します。
■MPO(Multiple Private Offering)
企業が、転換社債型新株予約権付社債(CB)、もしくは優先株式や新株予約権を第三者割当増資に
よって証券会社に対して発行し、資金調達をおこなう手法をMPOといいます。
割当証券会社はCBや優先株式を普通株式に転換、もしくは新株予約権を行使し、普通株式を株式
市場で売却します。
割当証券会社は株式市場の動向を見ながら、買い取ったCBを徐々に新株に転換していき、機関投
資家等に売却するので、新株発行による公募増資と異なり、一時的に大量の株式が市場に出回らず、
株価への影響を小さくすることができると期待されます。また、CBや優先株式、新株予約権がヘッジ
ファンドに渡ると、その運用対象とされる為に普通株式への転換や新株予約権の行使の促進効果が
期待できません。しかしMPO発行の場合、割当証券会社から他者への譲渡はおこなわれないため、
それらがヘッジファンドに渡るのも排除できるなどのメリットがあります。
■MRF(Money Reserve Fund)
オープン型の公社債投資信託で、証券総合口座用ファンドのことです。
1円以上1円単位で購入でき、毎日収益が計上され、その収益は、1カ月分まとめて再投資されます。
金融機関の預金とは異なり、運用成果は実績に応じて変わるので、元本が保証されているものでは
ありません。
■MSCI Japan先物
大阪証券取引所に上場されている株式先物のことです。
国内の証券取引所に上場されている銘柄、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル
(MSCI)社が選定した銘柄を対象とし、浮動株時価総額方式の株価指数を対象とした先物で、取引
単位は、指数の10、000倍です。
株式・金融

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■TOPIXオプション取引
TOPIX(東証株価指数)を基礎商品とする株価指数オプション取引です。取引の対象には、
「TOPIXプット・オプション」と「TOPIXコール・オプション」の2種類があります。基礎商品である
TOPIXは、抽象的な数値ですから、権利行使の際に、形のある物を受け渡すことはできません。
従って、TOPIXオプション取引の決済は、すべて差金の授受により行います。決済方法には、
① 転売又は買戻し
② 権利行使
③ 権利放棄
以上、3つの方法があります。
■MSCB債
発行後一定の期間経過後に、転換価格をその時の時価で算定し直す条項が付されているCBを指し
ます。
■逆日歩
逆日歩とは「証券金融会社」において貸株残が融資残を超過した場合に「株不足」が発生し、その不
足株券について「証券金融会社」が「証券会社」または株券を大量に保有している生損保等の機関
投資家から有料で借り入れた時の品貸料をいい、その品貸料は最終的にその逆日歩のついた銘柄
の売建顧客すべてが支払い、買建顧客すべてが受け取ることになります。
■騰落レシオ
相場全体の動きを見るための一つの指標で、値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割算し、百分率で
表したものです。
・100%が中立の状態
・100%を超えると値上がり銘柄が多く強気相場
・120%前後になると過熱気味
・70%前後は底値ゾーン
と言われています。
■騰落率
3カ月・6カ月・1年など、決められた2つの時点の価格(投資信託の基準価額など)を比較して、何%上
昇したか(あるいは下落したか)を表す指標です。価格動向を把握するために用います。
株式・金融

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■TOPIX先物取引
TOPIX(東証株価指数)を取引対象とした株価指数先物取引です。TOPIXは、抽象的な数値ですから、
先物取引の期限がきても形のある物を受け渡すことはできません。従って、TOPIX先物取引の
決済は、全て差金の授受により行います。決済方法には、取引最終日までに転売又は買戻しに
よって決済する方法と、最終決済期日に最終決済する方法があります。最終決済は、
最終清算指数(S.Q)によって行われます。
■TTB(Telegraphic Transfer Buying Rate、電信買相場)
外貨を円に戻す際に適用される為替レートのことです。金融機関にとってお客様より外貨を購入する
際のレートです。
■TTS(Telegraphic Transfer Selling Rate、電信売相場)
円を外貨に替える際に適用される為替レートをいいます。金融機関にとってお客様に対して外貨を
販売する際のレートです。
■VWAP(VWAP(ブイワップ)ギャランティー取引、
出来高加重平均価格取引、Volume Weighted Average Price)
証券取引所で上場されている株券の売買を、VWAP(ブイワップ=出来高加重平均価格)を基準に
した価格で行う取引です。そしてこのVWAPギャランティーの取引の執行は、証券取引所を通さず、
取引所外売買で行います。つまり、弊社とお客様の相対取引(仕切り取引)となります。
出来高加重平均価格とは当日の取引所で成立した価格を価格毎の出来高で加重平均した価格を
いいます。
株式・金融

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■株価指数
日々動く個々の銘柄の株価を集計して一定の基準に当てはめて指数化したもので、株式相場全体
の変動を過去からの連続した数字として表す指標として利用されています。
■ダウ(NYダウ、ダウ工業株30種平均)
アメリカのダウ・ジョーンズ社が発表する工業株30銘柄を対象とした平均株価指数で、
NYダウ工業株30種やNYダウとも呼ばれています。アメリカを代表するニューヨーク株式市場の
重要な指標として活用されています。1928年の発表当時は単純平均株価でしたが、現在では指数の
連続性を維持するために修正平均株価になっています。ニューヨーク株式市場は、日本の
株式市場に対して強い影響力を持ち、連動性がみられるため、鉄道株20種平均、公共株15種平均、
総合65種平均とともに、日本でも重視されています。
■ナスダック総合指数
NASDAQで取り引きされている内外のすべての銘柄(約5,500銘柄)を時価総額加重平均で算出した
もので、1971年2月5日の株価を基準値100としています。米国経済に好調をもたらした
シリコンバレーのハイテク株やインターネット関連株の多くがこのNASDAQに属しており、指数全体に
対してハイテク関連株の占める割合が高いため、その業績の動向を示す指数といえます。
■日経平均株価(日経平均、日経ダウ)
相場全体の流れをつかむ株価指標として最も利用されている代表的な株価指数です。日経平均株
価は東証1部上場の225銘柄を構成銘柄として、それら個々の銘柄の株価の単純平均をベースに新
株落ち分を修正して株価に連続性を持たせています。その修正方式がアメリカのダウ・ジョーンズ社
の開発したものなので、かつては日経ダウと呼ばれていましたが、1985年にその権利を日本経済新
聞社が買い取り、株価の算出と発表をするようになったので、日経平均株価となりました。株式先物
取引や株式オプション取引でも代表的な指数として利用されています。下記は日経平均の推移です。
株式・金融

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■日経総合株価指数
全国に5ヵ所ある証券取引所に上場される全銘柄を対象にした指数で、時価総額方式で算出されま
す。配当金まで取り込んで計算するため、株価の全資産に近い指標となります。日経ダウ平均株価
や東証株価指数(TOPIX)と比べて対象が広く、機関投資家による日本株投資の運用成果を計るベ
ンチマーク(基準)などに利用されています。
■日経ジャスダック平均株価
日銀を除くジャスダック市場上場全銘柄を対象にダウ方式で算出する平均株価で、市場全体の相場
動向を表します。すべての銘柄を網羅するため、市場に登場する新しい企業の動向を含めて、的確
に反映します。
■日経株価指数300
東証1部上場銘柄300で構成されている株価指数です。株価指数とは、日々動く個々の銘柄の株価
を集計して一定の基準に当てはめて指数化したもので、株式相場全体の変動を過去からの連続した
数字として表す指標として利用されています。「日経株価指数300」は1993年10月、日本経済新聞社
によってつくられました。
■世界三大証券取引所
① ニューヨーク証券取引所
1792年に設立されたアメリカで最も歴史が古く、かつ世界最大の証券取引所。そのため他の市場へ
の影響力は大きく、同証券取引所の株価動向が世界の株式市場にただちに波及していきます。1987
年10月のブラックマンデーによる株価大暴落は、世界同時大暴落の引き金になりました。上場企業
には世界的企業を有し、トヨタ自動車や日立製作所、ソニーなど日本を代表する企業も上場していま
す。
② ロンドン証券取引所
ロンドン証券取引所は、イギリスが欧州金融市場の中心地であるため、アメリカのニューヨーク証券
取引所と並んで、世界の主要株式市場の1つに数えられています。なお、ロンドン証券取引所に上場
されている株式100銘柄の株価を指数化したものが、「FT100株価指数」です。
③ 東京証券取引所
東京証券取引所を参照して下さい。
④ その他
2000年にパリ証券取引所・アムステルダム証券取引所・ブリュッセル証券取引所の3つ取引所が
合併して設立されたユーロネクストやイギリスの会計基準を採用している香港証券取引所などが
あります。
株式・金融

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■配当
配当するお金のことで、利益や剰余金の分配金、株式配当金、保険配当金などがあります。
・株式の配当
株主の配当とは、株主が利益配当請求権に基づいて受け取ることができる利益の分配のことです。
一般に配当という場合には現金によって支払われる現金配当を指します。配当は、株式会社の
仕組みにしたがい、会社の利益を源泉として支払われるものであるため、その金額は一定では
ありません。赤字で利益のない期や、あっても少なく内部留保を厚くしたい場合には無配(配当が
支払われない)場合があります。無配になる場合も含め、配当の金額は株主総会の決議によって
決定されます。また、利益配当の上限額は、純資産額から資本の額、資本準備金および
利益準備金の合計額、その決算期に積み立てることを要する利益準備金の額、その他法務省令に
定める額を控除した額です。この限度を超えた配当は、俗に蛸配当と呼ばれる違法なものであり、
返還請求の対象となります。反対に、計上している利益の割に配当金が少ない企業は、外国からの
企業買収(M&A)のターゲットとされることが多く、対抗策として配当金の増額が行われることも
あります。また、配当の種類としては、一般の普通配当、特別に増益した期に増額する特別配当、
創立記念や上場記念として増額する記念配当があります。
・保険の配当
保険(生命保険)の配当とは、生命保険会社の運用益の契約者への戻し分のことです。基本的には、
生命保険会社の運用成績が予定利率を上回った分から、配当として契約者に支払う形になります。
生命保険は配当の有無により、有配当保険、利差配当保険、無配当保険に分ける事ができます。
① 有配当保険
毎年配当がつきますが保険料は高くなります。
② 利差配当保険
運用成績が予定利率を越えた場合、その差額分の中から5年ごとに配当が付きます。
③ 無配当保険
配当はつきませんが保険料が安い生命保険です。
■中間配当
営業年度を1年とする会社が、営業年度中につき1回に限り一定の日を定めてその日における
株主に対して取締役会の決議により行う金銭の分配のことです。法律上は配当ではありませんが、
実質的には利益配当の後払いの性格を持ちます。
株式・金融

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