2007年6月8日金曜日

用語集 - 政治

P.92

■日本国憲法三大原則
日本国憲法は、三大原則として国民主権・基本的人権の尊重・平和主義が全体に貫かれています。
・国民主権
国家の主権(統治権)が国民にあることです。
・基本的人権の尊重
国政において個人の人権を尊重することをいい、自由主義のあらわれでもあります。
・平和主義
平和に高い価値をおき、その維持と擁護に最大の努力を払うことをいいます。
■高齢化と少子化
社会の高齢化とは、高齢人口の増加率と年少人口の減少率で決まるとされており、人口の
年齢構造では、0~14歳を年少人口、15~64歳を生産年齢人口、65歳以上を高齢人口といいます。
生産年齢人口が減少しないまま出生率の減少が進むと、やがて生産年齢人口だった層は
老年人口となり、扶養者数に対する被扶養者数の比率が上昇していくこととなります。すなわち、
高齢化は少子化と表裏一体の現象であると言え、この少子高齢化は様々な問題をはらみます。
そのひとつが老人世代の扶養負担であり、退職して扶養される立場となった老人世代が増加し、
扶養する側の若年世代が減少することは、老人一人当たりをより少ない人数で支える必要が
出てくることになります。若年世代にとっては年金料の負担が増加し、また将来の年金額が
不安視されていることから世代間の扶養体制が維持困難となってきています。国連は先進国に
みられるこうした現象を老年人口(65歳以上)の比率によって以下のように区分しています。
・高齢化社会7%~14%
・高齢社会14%~21%
・超高齢社会21%~
平成16年10月の時点では高齢社会に分類されています。
・年少人口(0~14歳人口)は1773万4千人(総人口の13.9%)で前年に比べ0.1ポイント低下
・生産年齢人口(15~64歳人口)は8507万7千人(同66.6%)で前年に比べ0.3ポイント低下
・老年人口(65歳以上人口)は2487万6千人(同19.5%)で前年に比べ0.5ポイント上昇,過去最高の
割合
・90歳以上人口が101万6千人(同0.8%)と初めて100万人を超えた
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P.93

■男女雇用機会均等法
(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)
1972年に「勤労婦人福祉法」として施行されましたが、女子差別撤廃条約批准のため、1985年に
「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する
法律」として改正され、その際に「男女雇用機会均等法」の名称が生まれました。その後、女性に
対する労働上の差別をなくすために改正が重ねられ、募集・採用、配置・昇進、教育訓練、福利厚生、
定年・退職・解雇において、男女差をつけることが禁止されており、次のようなことができなくなって
います。
・男性のみ、女性のみの求人募集
・男性、女性を問わず性別を表す職種で募集すること
・「婦人警察官」→「女性警察官」(募集の際は単に警察官)
・「営業マン」→「男女営業マン」「営業職」
・「保母」→「保育士」
・「看護婦」→「看護師」
・「スチュワーデス」→「客室乗務員」
・男女別の採用枠、定年年齢などの設定
また、労働基準法の改正とも連動しますが、女性に対する深夜労働の制限が撤廃されています。
■日米安保(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約、
(新)日米安全保障条
約)
1951年9月8日、米国のサン・フランシスコ市で米国をはじめとする第二次世界大戦の連合国側
49ヶ国との間で日本国との平和条約(サンフランシスコ平和条約)が締結された時に、
吉田茂内閣総理大臣が単独で日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に署名しました。
これは、旧日米安全保障条約などと呼ばれ、この旧条約によって日本占領のアメリカ軍は、
在日アメリカ軍となって現在に至っています。旧日米安全保障条約は、1960年に改訂がされ、この
条約が、現在効力を有している「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」です。
日米地位協定(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設
および区域ならびに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定により、アメリカ軍に施設や
地域を提供する具体的な方法が定められた他、その施設内での特権や税金の免除、兵士などへの
裁判権などが与えられています。
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P.94

■NPO(非営利組織、nonprofit organization)
本来政府が行っているような、利益の上げ難い社会的な活動を行っている民間の非営利団体の
ことです。社団と財団に分かれ、近年、「新しい公共」として注目されています。ただし、「非営利」とは
団体の構成員に収益を分配せず、主たる事業活動に充てることを意味し、収益を上げることを
制限するものではありません。
■京都議定書
1997年に採択された、二酸化炭素やメタンなど6つの温室効果ガスを対象に、2008年から
2012年までの5年間に世界全体で1990年比5%の削減を目指した国際条約で、日本には6%の削減が
割り当てられています。
■環境ISO(14001)(ISO=International Organization for Standardization)
環境問題に対応するために国際標準化機構(ISO)によって発行された、環境負荷低減のための
環境マネジメントシステムに関する国際規格のことです。
■ASEAN(東南アジア諸国連合)
東南アジアの独立国で構成される地域協力機構のことです。
1961年発足の東南アジア連合(ASA)を前身として、1967年8月に、タイのバンコクで、タイ、インドネシ
ア、フィリピン、マレーシア、シンガポールの5ヶ国によって創設されました。
その後、1980年代から90年代にかけて、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオスが加盟。1999年には、
カンボジアが正式に加盟し、東南アジア全10ヶ国による「ASEAN10」体制が実現しました。
■ASEM(アジア欧州会合)
アジアと欧州各国における関係の強化を目的に開催されている国際会合のことです。
アジア10ヶ国とEU加盟15ヶ国及び欧州委員会を構成メンバーとして、2年ごとに閣僚級会議が開
催されています。
■WTO(世界貿易機関)
物品やサービスの貿易についての国際協定の管理を行い、知的所有権などに関する通商ルールの
設定、世界の貿易自由化の推進や貿易における国際紛争の解決などを目指す国連の準専門機関
のことです。
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P.95

■確定申告
納税者が前年1年間の所得税を計算して、翌年2月16日から3月15日までの間に、所定の申告書に
記載の上税務署に確定申告書を提出して税金を納める手続き、申告する制度のことです。
年収2,000万円以下の給与所得者は、原則的には確定申告の必要はありませんが、転職等で
年末調整を受けていない場合や、医療費控除や、雑損控除、住宅取得控除などの還付を受ける
場合は確定申告の方法により適用を受けることになります。
■厚生年金
厚生年金保険法に基づき、労働者の老齢・障害・死亡に関して必要な給付を行う制度のことです。
老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金に大別されます。窓口は社会保険事務所になって
います。
■厚生年金基金
1966年に発足した代表的な企業年金制度のことです。企業の独自部分と、公的年金である
厚生年金の一部を国に代わり運用する代行部分からなります。基金は法律で認められた
特別法人で、全国に1653個所あり、1053万人が加入しています。大企業は単独で、中小企業は
共同で設立することが多いです。
■厚生年金保険料
サラリーマンが加入する厚生年金では、加入者の年収の13.58%(労使折半)が保険料となり、
給与から天引きされます。自営業者らが加入する国民年金の保険料が定額(月額13,300円)なのに
対し、厚生年金保険料は、年収(総報酬)が上がるほど高くなります。
■国民年金
20歳以上60歳未満の自営業者や農林水産業者、学生などが加入する公的年金制度のことです。
保険料は月額1万3300円で、25年以上加入した人には65歳から老齢基礎年金が支給されます。
社会保険庁は、未納者に対して電話や戸別訪問で納付を求めています。
■国民年金基金
いわゆる自営業者などの国民年金第1号被保険者が、より豊かな老後のために、老齢基礎年金に
上乗せする形で任意加入する制度のことです。地域型国民年金基金と職域型国民年金基金の
2種類があります。
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P.96

■国民年金保険料
月額1万3580円の定額で、20歳以上60歳未満の自営業者、学生らは納付義務があります。25年以上
加入すれば老齢基礎年金の受給資格を得ますが、保険料を納めなかった期間があれば
年金給付額はそれだけ低くなります。低所得者に対しては保険料の全額または半額が免除される
制度もあります。
■個人年金保険
個人年金は契約から、おおむね10年以上の一定期間後に年金の受け取りが始まります。
一定期間に分割で受け取る確定型と終身型のほか、一括して受け取ることもできます。契約時
あるいは年金受給時にいずれかを選択します。終身型は、受け取り開始から一定期間に契約者が
死亡した場合には遺族が残額を受け取る保証のある商品も多くあります。定額年金は分割払いが
多いですが、変額年金は保険料を契約時に一括して支払う一時払いが一般的です。
■雇用保険
職を失った人の生活を安定させ、再就職を支援する国の制度のことです。正社員だけでなく、週の
所定労働時間が20時間以上で1年以上雇用される見込みのあるパートなどの短時間労働者も
対象になります。失業手当の支給額は、離職前の賃金に所定の給付率をかけて計算されます。
支給日数は、雇用保険の加入期間、離職の理由によって異なります。
■失業保険
一般的には、雇用保険の基本手当に代表される失業等に支給される保険給付のことをいいます。
公共職業安定所(ハローワーク)が窓口となっています。なお、失業時の基本手当ての
所定給付日数が2001年4月より改正しました。倒産・解雇等で失業した場合は雇用保険被保険者の
期間(働いていた期間)と退職時年齢により所定給付日数が決まります。一般の離職者は年齢に
関係なく、雇用保険被保険者の期間のみで所定給付日数が決まる方法となります。
■社会保険
国民が病気の時や老後に必要な保障を受けられるように国や地方自治体が運営する
公的保険制度のことです。狭義の社会保険は医療、年金の各保険を指します。これに介護保険と、
労働保険と呼ばれる労災と雇用の各保険を含めて社会保険と呼ぶこともあります。
■社会保障協定
サラリーマンの海外勤務で公的年金保険料などの2重払いや掛け捨てが起きないようにするための
2国間協定のことです。企業の人件費負担が減るため国際競争力が高まり、外国企業が日本に
参入しやすくなる効果もある。厚生労働省によると、米国はこれまで20ヶ国と協定を結んでいます。
日本は米国との協定がまだ3ヶ国目で、年金制度の国際化で後れを取っています。日米両国は
1970年代後半から断続的に折衝していたが、日本から多くの駐在員を受け入れている米国の
年金財政が、掛け捨てがなくなればマイナスの影響を受けることなどから、米側の消極姿勢が
目立ち合意が遅れました。
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P.97

■市町村民税
地方税の一種であり、その市町村(東京都の場合は特別区を含む)の住民であることで課税される
ものをいいます。
■酒税
清酒やビール、ワインなどに課せられる税金で、酒の種類や原材料などによって税率が
決められています。国の歳入の2~3%を占める重要な財源の1つとなっています。
■スライド
労働保険や社会保険における年金等の金額が、その後の賃金・物価・国民の生活水準の変動した
場合に、実質的価値を維持するための自動改定のことです。主に国民年金・厚生年金保険は
物価スライド、労働保険は賃金スライドを採用しています。
■政府税調
税制に関する基本的事項を調査審議する首相の諮問機関で、正式名称は税制調査会のことです。
30人以内の委員と若干の特別委員で構成されます。
■総所得金額
所得税の計算に使われる金額。下記の1と2の合計額から、純損失、特定居住用財産の買い換え
等の場合の譲渡損失、及び雑損失の繰越控除を控除した後の金額をいいます。(ただし、下記の
所得のうち、分離課税の適用を受けたものは除く)
・利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、総合課税される短期譲渡所得および
雑所得の金額の合計額で、損益通算後の金額。
・損益通算後の、総合課税の長期譲渡所得金額および一時所得金額の合計額の1/2。
■相続税
親や配偶者などから財産を相続した時に課税されます。株式のほか、現預金、不動産などあらゆる
資産が課税対象になり、財産を取得した人(相続人)が税金を納めます。課税対象となる資産の
評価額は相続時の価格(時価)を基準に決め、その評価額に6段階の累進税率をかけて税額を
算出します。相続税の税収は国税収入の1.9%(2002年度)を占めます。相続税の課税対象額から
除く基礎控除は「5,000万円と法定相続人1人につき1,000万円を加算」などとする決まりで、
控除される範囲は比較的大きいです。相続件数のうち、実際に相続税を納めたケースは全体の約5%
(2000年)にとどまっていることから、財務省などには、景気対策としての相続税軽減に慎重な意見も
あります。
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P.98

■相続税の税率
相続税の非課税枠は基礎控除額5,000万円と法定相続人1人当たり1,000万円の合計額で、
子供2人なら7,000万円です。遺産が2億円なら課税対象は1億3000万円です。相続税の計算では、
課税対象額を法定相続分通り(子供2人なら2分の1ずつ)相続した場合の各人の税額が基礎と
なります。このケースでは1人の相続分は6,500万円で、相続税の税率は最高30%です。これが
生前贈与の額を考える場合の判断の目安となります。
■相続分
共同相続人が相続財産に対して有する取り分のことです。被相続人が遺言により指定した時、
または指定を委託したときは受託者の指定により定まります。この指定がない時は、
民法900条以下の規定によります。
■贈与税
個人から年間110万円を超える財産をもらった人にかかります。自分が保険料を負担していない
生命保険金を受け取った場合や、債務の免除などにより利益を受けた場合も課税されます。
前年から4年以内に住宅資金の贈与の特例を受けている場合には、110万円以下でも課税されます。
居住用の不動産やその取得資金を配偶者から贈与された場合は、最高2,000万円の配偶者控除を
受けることができます。
■損益通算
個人が総所得金額などを計算する場合、不動産所得、事業所得、山林所得または譲渡所得の
計算で、損失が生じた場合は一定の順序で、これを他の所得金額から控除することができる制度を
いいます。
■直接税
納税者と、税負担者が同一である税金のことです。所得税、法人税、相続税、贈与税、固定資産税、
事業税などがあります。
■都道府県民税
地方税の一つで、その都道府県の住民であることに対して課税されるものをいいます。
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P.99

■ニート(Not in Education Employment or Training)
学校にも通わず、職探しもせず、職業訓練からも取り残された若者を指しています。ニートの存在は、
欧米先進国でも共通する社会問題になっており、この言葉もイギリスで使われ始めました。日本でも
昔から「親のすねかじり」といわれたように、その存在がないわけではありませんでした。統計上は
「無業者」と呼ばれていますが、現在、その数が著しく増えています。2004年の『労働経済白書』では、
2002年の48万人、2003年52万人という数字が発表されています。ニートは、就学や就労意欲が
薄いため、社会との接点がきわめて少ないという特徴があります。ニートに比べて、フリーターという
言葉はすっかり定着していますが、ニートのほうがより問題が深刻です。それは、フリーターが
「学生と主婦を除く15~34歳の若者のうち、パート・アルバイト、契約社員、派遣社員など、
正社員以外の働き方をしている人と、働く意志がありながら職に就けない人」を指しており、社会との
関わりを持っているか、あるいは積極的に持とうとしているからです。しかしフリーターの存在に
関しても、その数があまりに多く、だいぶ前から事の深刻さが指摘されていました。内閣府は、すでに
400万人を超えると推計しており、約500万人の団塊の世代に次ぐ大きなグループを形成しています。
このフリーターにニートを加えると、日本社会に大きなインパクトを与えつづけている団塊の世代と、
ほぼ人数の上では匹敵することなります。
■年末調整
給与所得から源泉徴収した所得税額の過不足を年末に精算することです。
■物納
相続税額は納期限までに金銭で一括で納付することが原則ですが、延納によっても金銭で納付する
ことが困難であるとする事由がある場合について、税務署長に対し、相続税の納期限までに申請し、
許可を得ることにより、金銭に代えて一定の資産をもって納付することができる制度をいいます。
■補正予算
年度途中に、景気対策のための公共事業など新たな財政需要が発生した時に編成する予算のこと
です。内閣が補正予算案を作成し、国会に提出して審議を受けなければなりません。当初予算と
補正予算を合わせた補正後の金額が、その年度の最終的な予算の姿となります。補正予算は、
社会保障関連など義務的経費の膨張や、大規模災害の復旧費用など想定外の財政支出に
対応する目的もあり、ほぼ毎年編成されています。
■目的税
特定の経費に充てる目的で課す税金のことをいいます。
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P.100

■内閣
国家の行政権を担当する最高の合議機関のことで、首長である内閣総理大臣およびその他の
国務大臣で組織され、行政権の行使について国会に対して連帯して責任を負います。また、天皇の
国事行為に助言と承認を与え、その責任も負います。職務としては、一般行政事務、外交関係の
処理、条約の締結、予算の作成、政令の制定などの事務を行います。
■官庁
国家の事務について、国家の意思を決定し表示する権限をもつ国家機関のことで、補助機関・諮問
機関などに対比していいます。担当する事務によって、司法官庁・行政官庁、管轄する区域によって
中央官庁・地方官庁に分けられ、官吏の数によって独任制のものと合議制のものとがあります。
■中央省庁
日本の国家行政庁は地方自治体と比して中央省庁(ちゅうおうしょうちょう)と呼ばれており、国の行
政事務を担当する行政機関の総称のことです。一般的には、国家行政組織法において「国の行政機
関」として定める10の省とそれらの外局および内閣府設置法で定める内閣府とその外局がそれに該
当します。また、内閣総理大臣が長となる内閣府と、国務大臣が長となる、総務省、法務省、外務省、
財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛庁、国家
公安委員会の1府12省庁を指す場合もあります。
・内閣官房
内閣の付属補助機関のことで、閣議事項の整理、内閣の庶務、行政各部の施策の
総合調整などを行う内閣の機関です。内閣官房長官がその事務を統轄しますが、主任の大臣は
内閣総理大臣になります。
■IMF(国際通貨基金)
国際的な通貨協力を通じて、国際貿易の発展と加盟国の経済成長を促進することを目的とする国際
金融機関のことです。
1944年のブレトンウッズ協定によって、国際復興開発銀行(世界銀行)とともに設立が定められ、
1947年より業務を開始しました。また、同年11月には国連の専門機関となっています。
■FTA(自由貿易協定)
関税の撤廃などの通商上の障壁を除去した自由貿易地域の結成を目的とした2国間以上の国際協
定のことです。
自由貿易地域とは「関税その他の制限的通商規則が、その構成地域原産の産品の構成地域間にお
ける実質上のすべての貿易について廃止されている、二つ以上の関税地域の集団」(GATT第24条
8)であり、地域経済統合の形態の中では、緩やかなものとされています。
近年では、アジア地域においてもFTA締結の動きが広まってきており、2002年には、日本初の地域貿
易協定である「日本・シンガポール新時代経済連携協定(JSEPA)」が発効しています。
政治

P.101

■中央省庁続き
・内閣法制局
日本の内閣におかれる法制局で、内閣の下で法制についての事務を行う組織であり、主に
法律に関する意見事務と審査事務を行います。また、その長は内閣が任命する
内閣法制局長官であり、主任の大臣は、内閣総理大臣とされています。
・人事院
国家公務員法に基づいて設置された特殊の合議制の機関で、国家公務員の勤務条件その他
人事に関する利益を保護し、官吏の任用、給与に関する勧告、任免、苦情処理などを行ないます。
人事行政に識見を持つ者のうちから(衆参両議院の同意を得て)内閣が任命する人事官3人(うち
1人は人事院総裁)で組織し、その下に事務総長以下の職員をおきます。人事官は認証官とされ、
その任免は天皇から認証されます。
・内閣府
内閣(事実上内閣官房を含む)主導により行われる政府内の政策の企画立案・総合調整を
補助するという目的で創設されました。内閣に設置されていること、いわゆる「内閣補助事務」と
呼ばれる一連の所掌事務を有していることが他省庁との最大の相違点です。
┗ 宮内庁
皇室関係の事務や天皇の国事行為のうち外国大使の接受や儀礼に関する事務を
所掌しています。2001年の中央省庁再編により内閣府に置かれるように改められました。
┗ 公正取引委員会
内閣府の外局で、自由主義経済における競争政策の促進を目的に独占禁止法や景品表示法、
下請法の運用を行う機関です。内閣総理大臣の所轄に属しまが、独立の権限を持つ
行政委員会であり、委員長および委員の任命には衆参両議院の同意を必要とします。
委員長は認証官とされ、その任免は天皇により認証されます。
┗ 国家公安委員会
国の行政委員会の一つで、内閣府設置法に基づいて設置され、内閣総理大臣の所管の下に
置かれている合議制の委員会です。国の公安に係る警察運営をつかさどり、警察教養、
警察通信、情報技術の解析、犯罪鑑識、犯罪統計及び警察装備に関する事項を統轄し、
ならびに警察行政に関する調整を行うことにより、個人の権利と自由を保護し、公共の安全と
秩序を維持することを任務としています。
┗ 防衛庁
内閣府の外局で、主に国防を所管する行政機関です。国務大臣である防衛庁長官が統括し、
広義の「防衛庁」とは内局(いわゆる背広組)、陸海空の3自衛隊(制服組)、その他の
附属組織(契約本部等)の全てを指しますが、狭義(特にマスコミ報道など)では内局のみを
指すことがほとんどです。なお、最も広義では防衛庁の外局である防衛施設庁をも含める
場合があります。
┗ 金融庁
国内外の金融行政の企画立案のほか、金融機関の検査・監督を行っています。金融庁の長は
金融庁長官ですが、長官とは別に金融庁の事務を掌理する国務大臣として、金融担当大臣が
置かれています。
政治

P.102

■中央省庁続き
・総務省
国勢調査など各種調査と集計、国政も含む選挙関係、地方自治などの地方政治、国家行政の
効率化、電波やインターネットサービスプロバイダーおよび放送など電気通信・放送及び郵便・
信書便関係の監督業務などを行う省庁です。
┗ 公害等調整委員会
1972年に土地調整委員会と中央公害審査委員会が統合されてできた行政委員会で、
総務省の外局です。この委員会の目的は、①公害紛争について、あっせん、調停、仲裁および
裁定を行い、その迅速かつ適正な解決を図ることと、②鉱業、採石業または砂利採取業と
一般公益との調整を図ることです。
┗ 郵政事業庁
郵政事業庁は郵便事業、郵便貯金事業、郵便為替事業、郵便振替事業、
簡易生命保険事業を扱っており、国の組織の中でも税金を使わず独立採算をとっています。
2003年4月1日から日本郵政公社となりました。
┗ 消防庁
消火、救助、救急、防災など消防活動を統括します。また、東京消防庁は東京都の組織であり、
区別するため「総務省消防庁」とも呼ばれています。
・法務省
司法制度、民事行政(国籍、戸籍、登記、供託)、刑事・民事法の立案、検察、矯正、更生保護、
国の利害に関係のある争訟、人権擁護、出入国管理、公安調査等をその所管事項とする国の
省庁です。
┗ 公安審査委員会
法務省の外局で、公安調査庁からの処分請求を受けて、暴力主義的破壊活動を行った団体
および無差別大量殺人行為を行った団体に対する各種処分を審査・決定する行政委員会です。
略称は公安審。
┗ 公安調査庁
法務省の外局で破壊活動防止法や「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する
法律」の規定に基づき、暴力主義的破壊活動を行った団体と無差別大量殺人行為を行った
団体の調査を主に行う組織です。日本国内外を問わず、テロリズムや日本に対する治安上の
脅威となる事柄に対して情報収集を行います。
・外務省
国家の外交に関する事務を主な担当任務とする省庁です。日本の外務省は、国家行政組織法の
省の一つとして設置されています。また、その任務は平和で安全な国際社会の維持に寄与すると
ともに、良好な国際環境の整備を図ることと、調和ある対外関係を維持し発展させつつ、
国際社会における日本国および日本国民の利益の増進を図ることにあります。日本の外交、
国際協力、条約などを所管するほか、在外公館を通じ、相手国政府との交渉や連絡、
情報収集・分析、在留邦人の保護、文化広報活動などを行っています。
政治

P.103

■中央省庁続き
・財務省
財政、税制、税関業務、国庫管理、通貨、外国為替、ならびに造幣事業に関する行政事務を
行います。
┗ 国税庁
国家の歳入確保のため、所得税・法人税・相続税(以上、直接国税)、消費税・酒税(以上、
間接国税)などの内国税の賦課・徴収を行う財務省の外局です。国税庁の地方組織として、
11の国税局、1つの事務所、524の税務署がおかれており、税務署では、毎年2月中旬から
3月中旬にかけて自営業者や法人、芸能人などが確定申告を行います。
・文部科学省
学術・教育・学校等に関する行政機関だった旧文部省と科学技術行政を総合的に推進する
行政機関で旧総理府の外局だった旧科学技術庁とが統合された省庁です。教育、科学技術、
学術、文化、およびスポーツの振興を所管します。
┗ 文化庁
文部科学省の外局で、芸術創作活動の振興、文化財の保護、著作権等の保護、国語の改善・
普及、国際文化交流の振興、宗教に関する行政事務などを所掌します。
・厚生労働省
社会福祉、社会保障、公衆衛生および労働者の働く環境の整備、職業の確保などに関する
事務を担当する省庁です。
┗ 中央労働委員会
厚生労働省の外局で、労使間関係の調整をつかさどります。特徴としては、内閣に対し
一定程度の独立性を有し、準立法権能(規則制定権)と準司法権能(審決権)を有する
合議制の機関(行政委員会)です。また、労働組合法が規定する労働委員会の一つで、
主な職務は、船員以外の労使間についての労働争議の調整、不当労働行為事件の審査、
労働組合の資格審査、中央労働委員会と都道府県労働委員会の手続に関する規則の
制定などです。略称は中労委。
┗ 社会保険庁
厚生労働省の外局で、政府が管掌する健康保険事業、船員保険事業、厚生年金保険事業、
国民年金事業等の運営を任務とする行政機関です。
・農林水産省
農林水産省設置法に基づいて置かれ、農業・畜産業、林業、水産業をはじめ、食料の
安全・安定供給、農村の振興などを所管する省庁です。なお、食品の安全に関しては、
内閣府食品安全委員会、厚生労働省医薬食品局でも所管しています。略称は農水省。
┗ 林野庁
農林水産省の外局で、民有林行政と国有林野事業を所管します。
┗ 水産庁
農林水産省の外局で、農林水産省設置法に基づき置かれ、水産資源の確保、水産物の
安定供給、漁港などの整備を所管します。
政治

P.104

■中央省庁続き
・経済産業省
通商産業省の廃止に伴いその後継存続機関として新設されたもので、産業政策、通商政策、
産業技術、貿易などを所管する省庁です。旧通産省時代から経済・産業の幅広い分野に対して
審査権・許認可権を有しています。
┗ 資源エネルギー庁
石油、電力、ガス、原子力などのエネルギーの安定供給政策や省エネルギー・新エネルギー
政策を所管する経済産業省の外局の一つです。1973年の第一次オイルショックを契機に
設置されました。
┗ 特許庁
経済産業省の外局で、工業所有権制度の企画立案と審査・審判などを所掌します。
┗ 中小企業庁
中小企業の育成、発展に関する事務などを所掌し、経済産業省の外局として設置されています。
・国土交通省
国土計画の他、河川、都市、住宅、道路などの建設推進・維持管理といったハード面、交通政策、
気象業務、日本国内管轄の海の治安・安全などのソフト面など、社会資本整備の中核を担う
省庁です。
┗ 船員労働委員会
国土交通省の外局で、船員の労働争議の調整、不当労働行為の審査、労働条件に関する
行政官庁への建議などを行う行政委員会です。船員中央労働委員会と
船員地方労働委員会があります。
┗ 気象庁
国土交通省の外局で、気象業務法のもとで行なわれており、この中で「気象」「地象」「水象」に
関わる観測や予報などを行うことが定められています。具体的には、気象情報
(天気予報など)、地震情報、火山情報、津波情報などがあります。
┗ 海上保安庁
日本の海上警備を担う機関で、国土交通省の外局の一つです。その規模は世界有数で、
職員数は約1万2千人、強力な武装から第4の自衛隊とも呼ばれています。
┗ 海難審判庁
国土交通省の外局で、海難が発生した際にその事故の原因を究明し海難事故の再発防止に
努めるため、海難審判法に基づき行政審判である海難審判を行います。第2審を担当する
高等海難審判庁(東京)と第1審を担当する地方海難審判庁(函館・仙台・横浜・神戸・広島・
門司(那覇支部を含む。)・長崎)に分かれており、特別の機関として海難審判理事所が
付置されています。
・環境省
地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護および整備その他の環境の保全を図ることを
任務とする省庁です。環境の保全・管理、廃棄物対策などを所管します。
政治

P.105

■会計検査院
憲法に基づく必置の機関で、国、公団、公社の決算の検査を主要な任務とする行政機関です。国の
収支の決算報告を政府が国会に提出する前に検査することを任務とする行政機関ですが、内閣の
管理外にある独立機関です。主な任務と権限は、①国の収入支出の決算に対する会計検査、②会
計経理の監督および適正化、③決算の確認などがあります。
検査の範囲
・国の毎月の収入支出
・国の所有する現金及び物品並びに国有財産の受払
・国の債権の得喪又は国債その他の債務の増減
・日本銀行が国のために取り扱う現金、貴金属及び有価証券の受払
・国が資本金の2分の1以上を出資している法人の会計
・法律により特に会計検査院の検査に付するものと定められた会計
■衆議院
日本の国会を構成する議院の一つで、日本国憲法下では参議院と共に両院制を形成し国会を構成
します。参議院との違いは、任期(4年)が参議院の任期(6年)より短く、また衆議院は任期途中での
解散があるため、より忠実に民意を反映できることから参議院に対して優越的地位に立つとされてい
ます。(衆議院の優越)憲法上、法律案の議決、予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名に
ついて、参議院に優越し、衆議院のみが内閣信任決議権ないし内閣不信任決議権を保持し、予算先
議権を有します。また、内閣総理大臣は衆議院を解散することができます。衆議院で内閣不信任案
が決議された場合、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければなりません。
選挙権:20歳以上の日本国民
被選挙権:25歳以上の日本国民
任期:最大4年(ただし、解散時には任期前に終了)
定数:480人(小選挙区300人、比例代表180人)
政治

P.106

■参議院
日本の国会を構成する議院の一つで、日本国憲法下では衆議院と共に両院制を形成し国会を構成
します。衆議院との違いは、衆議院は任期が最大4年であるのに対し、参議院は6年であり、任期中
の解散はありません。また、一斉選挙は行われず、3年ごとに半数が改選されます。
選挙権:20歳以上の日本国民
被選挙権:30歳以上の日本国民
任期:6年
定数:242人(選挙区146人、比例代表96人)
・緊急集会
衆議院が解散され総選挙で新しい衆議院が成立するまでの間に、国に緊急の必要がある時に、
内閣の求めにより開かれる参議院の集会で、ここでとられた措置は、次の国会開会後10日
以内に衆議院の同意が得られない場合は、失効します。
■裁判官弾劾裁判所
弾劾裁判とは、身分を保障された政府高官や裁判官の職務違反や非行を議会その他の国民代表
機関が訴追し、罷免または処罰する手続のことで、裁判官弾劾裁判所とは、裁判官を辞めさせるか
否かの裁判を行う機関です。また一度辞めさせた裁判官に対し、再び裁判官資格を回復させる
べきかも判断します。
■裁判官訴追委員会
非行・義務違反による裁判官の罷免請求を審査し,必要な際はそれを弾劾裁判所に訴追する
機関です。衆参両議院の議員各10名の委員によって構成されます。
■国立国会図書館
日本の国立図書館で、原則として日本国内で出版された全ての出版物を収集・保存する日本で
唯一の法定納本図書館です。国立国会図書館には国会議員の立法業務に資するため「調査および
立法考査局」が置かれ、国会の両院、各委員会、議員の立法業務を助けることを重要な任務として
います。一般の国民に対するサービスでは、東京本館と関西館は満18歳以上であれば日本国民で
あるなしを問わず誰でも利用できます。国際子ども図書館は年齢制限なく入館し館内での図書館
サービスを受けることができます。
政治

P.107

■最高裁判所
最高裁判所は裁判だけでなく司法行政部門の長としても活動しており、上告および訴訟法において
特に定める抗告について最終的な判断を下す権限を持ちます。そして、最高裁判所の最も重要な
機能は、上告事件について法令の解釈を統一することおよび憲法違反の疑いのある法令などに
ついて最終的な憲法判断を下す(違憲立法審査権)ことにあり、さらに最高裁判所は司法権に関する
事項について規則を制定する権利、司法行政権、下級裁判所の裁判官の指名権なども有して
います。最高裁判所の構成は「長たる裁判官」(最高裁判所長官)と14名の「長たる裁判官以外の
裁判官」(最高裁判所判事)により構成されます。最高裁判所長官は内閣の指名に基づき、天皇に
よって任命され、最高裁判所判事は内閣が任命します。略称は最高裁。
■政党
政治上の主義・主張を同じくする者によって組織され、その主義・主張を実現するために政策の形成
や権力の獲得、あるいは議会の運営などの活動を行う団体のことです。
・自由民主党(自民党)
日本の政権政党
総裁:小泉純一郎
・公明党
支援母体は創価学会
党首:神崎武法
・民主党
新進党(旧自民党竹下派の一部、旧民社党、旧新党さきがけ、旧社民連など)の一部、
旧社会党右派及び左派の一部が2003年9月に自由党が合流してできました。
党首:岡田克也
・日本共産党(共産党)
革新政党
党首:不破哲三
・社会民主党(社民党)
1996年に日本社会党から改称
党首:福島瑞穂
政治

P.108

■日本銀行
日本銀行法に基づいて設立された特殊法人であり、日本国の中央銀行のことです。日本銀行の代表
者は総裁であり、株式会社に類似した形態をとりますが、政府以外の出資者は経営に関する権利が
ありません。資本金は1億円で、政府が5500万円を出資しています。株式に相当する「出資証券」は
ジャスダック証券取引所に上場しており、株式と異なり出資者総会や議決権は無く、配当も年5分以
内に制限されています。略称は日銀。
機能
・発券銀行紙幣(日本銀行券)の発行および管理
・公定歩合操作、公開市場操作、支払準備率操作等の手法により金融政策の実施
・政府の銀行であると共に「最後の貸手」として銀行の銀行としての役割
・各国中央銀行や公的機関との間の国際関係業務(外国為替市場への介入を含む)
・金融経済情報の収集および研究
・通貨流通量を調整することでの物価安定
通常業務
・商業手形その他の手形の割引
・手形、国債その他の有価証券を担保とする貸付け
・商業手形その他の手形(日本銀行の振出しに係るものを含む。)又は国債その他の債券の売買
・金銭を担保とする国債その他の債券の貸借
・預金契約に基づいて行う預金の受入れ
・内国為替取引
・有価証券その他の財産権に係る証券又は証書の保護預り
・地金銀の売買その他前各号の業務に付随する業務
政治

P.109

■地方公共団体
国の領土の一定の地域を基礎とし、その地域内の住民を構成員として行政を行うために、国から
与えられた自治権を行使する団体で、都道府県・市町村などの普通地方公共団体と特別区・
地方公共団体の組合・財産区などの特別地方公共団体とがあります。また、別称としては、
地方自治体、地方自治団体、地方団体とも呼ばれています。
憲法での規定事項
・議事機関として議会を設置し、団体の長、議会の議員は、その団体の住民が直接選挙をします。
・財産を管理し、事務を処理し、行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定する
ことができます。
地方自治法での規定事項
・住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する
役割を広く担います。
・普通地方公共団体と特別地方公共団体に区分します。
・法人とします。
・その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の
効果を挙げるようにしなければなりません。
・法令に違反して事務を行ってはならず、違反して行った事務は無効となります。
なお、憲法上の地方公共団体とは、普通地方公共団体を指していると解釈されていますので、
特別地方公共団体では上記事項の一部が適用されません。
政治

P.110

■国際連合
国際連盟の反省をふまえ、第二次世界大戦時の戦勝国である連合国が中心となって、1945年、
国際連合憲章を採択して設立された国際機構のことです。現在世界のほとんどの国が参加しており、
設立時の戦勝国は常任理事国として強い権限を保持しています。また、国連の目的は、①国際的な
「共通の課題」の達成。②平和と安全の維持(中心的な目的)。③人権の保護などで、そのための
諸国の行動の調整を行います。(国際協力)略称は国連です。
■国連総会
国際連合の最高機関で、全加盟国によって構成され、国連憲章の範囲内にある全ての問題や
事項について討議し勧告することができますが、実施する権能はありません。毎年1回、9月に
定期総会を開きます。
■安全保障理事会
国際連合の主要機関の一つで、世界の平和と安全の維持を任務とします。アメリカ・イギリス・ロシ
ア・
フランス・中国の常任理事国と任期2年で改選される10カ国の非常任理事国で構成し、会の決議は
国連の全加盟国を拘束しますが、常任理事国の一国でも拒否権を行使すれば決議は成立しません。
略称は安保理。
■常任理事国
国際連合の安全保障理事会理事国の地位を恒久的に有する国のことで、アメリカ・イギリス・ロシア・
フランス・中国の5カ国です。
■非常任理事国
国際連合の安全保障理事会を構成する15カ国のうち、5つの常任理事国以外の理事国のことです。
国連総会で選出され、任期は2年で再選は認められていません。
■国際司法裁判所(ICJ)
国際連合の主要な司法機関のことで、総会および安全保障理事会で選出される15名の裁判官で
構成されます。国際連盟の常設国際司法裁判所の後身で、国際間の法的紛争を裁判する他、
法律問題について勧告的意見を与えます。所在地はオランダのハーグ。
■国連事務総長
国際連合の主席行政官のことで、事務局の長として全ての業務を統轄するとともに、主要機関から
委任された任務を行います。安全保障理事会の勧告により、総会が任命し、任期は5年が慣例です。
2005年現在の事務総長はコフィ・アナン。
政治

P.111

■国際労働機関(ILO)
1919年ベルサイユ条約に基づいて創設され、46年国際連合の専門機関となりました。政府・労使の
代表によって構成され、国際的規模での労働条件の改善を目指し、完全雇用、生活水準の向上、最
低賃金の保障、団結権擁護などを活動の基本としています。
■国際連合教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)
教育・科学・文化を通じて国際協力を促進し、世界の平和と安全に貢献することを目的とする、
国際連合の機関の一つです。
■世界保健機関(WHO、フー)
保健衛生問題のための国際協力を目的とする国際連合の専門機関で、婦人や児童の厚生、
医学教育なども扱います。
■国際連合食糧農業機関(FAO、ファオ)
国際連合の専門機関の一つで、世界各国民の生活水準の向上、食糧および農産物の生産・供給の
改善に寄与する目的で設置されました。
■国際連合児童基金(UNICEF、ユニセフ)
第二次大戦の犠牲になった児童の救済を目的として、1946年に国際連合国際児童緊急基金の名で
設立された国際連合の機関で、主に発展途上国の児童に対する援助を行います。
■国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)
難民の国際的な保護・救済、自発的帰国あるいは定住などを促進するための国際連合の機関で、
1951年国際難民機関の事業を引き継ぎ開設されました。
■非政府組織(NGO、エヌジーオー)
政府間の協定によらずに創立された、民間の国際協力機構で、国連憲章は国連の活動に関連する
活動を行う民間団体との協力を規定しています。経済社会理事会が認定したこのような団体を
国連NGOと呼びます。
■国際連合軍
平和を破壊する者に対して強制措置をとるため、国連憲章の特別協定により国際連合加盟国が提
供する兵力で組織される軍隊のことです。一般には、国際連合の平和維持活動(PKO)に従事する兵
力を指します。略称は国連軍。
政治

P.112

■国際連合平和維持活動(PKO、ピーケーオー)
国際紛争に対処し、国際的平和および安全を維持するために、国連総会または安全保障理事会の
決議に基づき、国連の統括の下に行われる活動のことで、交戦部隊の引き離しや治安回復を
目的とする平和維持軍(PKF)、停戦確保のための停戦監視や武力紛争終了後の民主的な手段での
統治組織の設立のための選挙監視などの活動があります。
■国際連合平和維持軍(PKF、ピーケーエフ)
平和維持活動を任務とする軍隊で、受け入れ国の同意を基礎とし、停戦や撤兵の実施を助け、
治安維持にあたるなど、戦闘以外の活動を行います。紛争当事者に対して、公正な立場で望む
ことが要求されるため、中立的な国から編成され、国連の直接の統制下に置かれます。
■先進8カ国主要国首脳会議(G8、サミット)
アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、ドイツ、日本、フランス、ロシア、EUの各国首脳が年1回集まり、
国際的な課題について討議する会議です。
■先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)
アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、ドイツ、日本、フランスの蔵相および中央銀行総裁で構成される
会議で、国際経済や通貨問題について主要先進国間の政策協調を推進するため1986年に
創設されました。
■核拡散防止条約(NPT、エヌピーティー)
正式名称は『核兵器の不拡散に関する条約』で、核兵器の保有国を制限し、核軍縮を進めるための
条約の一つです。条約では、核兵器保有国であると定められたアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、
中国の5カ国とそれ以外の国を分けられ、核保有国については、核兵器の他国への譲渡を
禁止しており、核軍縮のための交渉を進めることが義務付けられています。核非保有国については、
核兵器の製造、取得を禁止しており、国際原子力機関(IAEA)による保障措置を受入れることが
義務付けられています。
■包括的核実験禁止条約(CTBT)
地下核実験を含め、全ての核実験を禁止する国際条約で1996年国連で採択されましたが、
発効要件となる国のうち未批准国・未署名国があるため条約発効の見通しは立っていません。
■6カ国協議(6者会合、6者協議)
主に、北朝鮮の核開発問題、拉致問題など関して、解決のため関係各国が直接協議を行なう会議の
ことで、6カ国とはアメリカ合衆国、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、中華人民共和国
(中国)、日本国、ロシア連邦を指します。
政治

P.113

■軍備縮小会議
軍備縮小のための国際会議で、第二次大戦後は国際連合の主催で続けられている。略称は
軍縮会議。
■政府開発援助(ODA、オーディーエー)
先進国の政府機関から開発途上国になされる経済援助のことで、贈与・借款・賠償・技術協力などの
直接的援助の他、国際開発機関への出資・資金供与があります。
政治

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