○キャッシュ・フロー計算書
(cash flow statement)企業が一会計期間の資金(現金と現金等価物)収支を営業・投資・財務活動の区分別に表示したものです。大蔵省企業会計審議会は、1998 年(平成10)「連結キャッシュ-フロー計算書等の作成基準」を公表し、公開企業においては2000年3月期より財務諸表として制度化されました。
○キャッシュ・フロー計算間接法・直接法
キャッシュ・フロー計算書は、「営業活動」「投資活動」「財務活動」の三つの区分に分けて表示しますが、「営業活動」区分の表示の仕方に「直接法」および「間接法」の二つの選択肢があります。
米国会計基準では「直接法」を選択すると「間接法」の内容を注記することが求められますが、日本および国際会計基準は選択制をとり、「直接法」を選択した場合、間接法の注記による開示を求めていません。
「直接法」では営業収入、原材料又は商品の仕入支出、人件費支出およびその他の営業支出が表示され、「小計」が表示されます。一方「間接法」では、損益計算書の税金等調整前当期純利益から始まり、発生主義会計の損益計算書から資金の流出および流入に関係無い項目を資金の流出・流入にするための調整が続き「小計」を表示します。直接法および間接法の「小計」の金額は双方とも一致し、小計以下の表示および金額に相違はありません。「直接法」では損益計算書のどの金額も表示されないところから、損益計算書との関連が不明となります。長所は、営業収入、原材料又は商品の仕入支出、人件費支出、その他の営業支出が開示されるということです。一方の「間接法」は、損益計算書の利益から始まりますので、損益計算書との関連が明らかになります。また、資金の流出に関係しない減価償却費や貸倒引当金の繰入額が表示されます。どちらの方法を選択するかは企業の自由です。
○連結納税・連結納税制度
国内の親会社と100%子会社及び孫会社等、課税所得を通算して申告納税することです。なお、連結納税制度適用の場合のメリット、デメリットは以下の通りです。
メリット
・連結グループ内の課税所得通算による節税効果
・連結グループ内組織再編の柔軟性
デメリット
・繰越欠損金の持込制限(親会社の有する繰越欠損金以外は、連結グループへ持込が原則的に不可)
背景
13年4月1日以後5年間から7年間になりました。
・連結加入法人の時価評価(連結グループに加入する法人は、資産等が原則的に時価評価される)
・連結納税手続きに係る事務負担の増加
会計
P.8
○制度会計
「制度」に従うもので、粉飾を防ぎ、ステークホルダーを保護するための会計のことです。制度会計は、企業規模によって適用される会計基準が異なり、公開会社や資本金の大きな(5億円以上)会社では、それぞれ証券取引法や商法の規制を受けます。これに対し、中小企業では制約を受けることは少なく、その分、会計のレベルはまちまちです。
○管理会計
経営者や管理者などが、自社内部での業績評価や経営状態の把握のため、または戦略立案や経営計画の策定、組織統制、価格決定などの各種意思決定を行う材料として、貨幣単位で表示した情報を作成すること。内部報告会計ともいいます。企業外部への報告を目的とした“財務会計(または制度会計)”に対して、管理会計は企業内部の経営管理・活動管理のために行われるものであるため、必ずしも会計基準や関連法規に従わなくてもよく、経営者の目的に適合する情報を提供することが目的となります。そのため、各企業独自の基準や考え方、ツールによって行われます。
○税務会計
税法の決まりに従って、一定期間の様々な所得を計算し、表すことを目的とし、企業の利益を計算すること以外に、所得も計算しなくてはいけないので、そのような特別に所得を計算する会計のことです。この税務会計業務では、企業会計とは別に記録計算するのではなく、企業会計で出した利益を税法にそって調節し、所得を算出することを税務調整といいます。
○税効果会計
企業会計上の利益又は費用と課税所得計算上の益金又は損金の認識時点の相違等により、企業会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額に相違がある場合において、税金の額を適切に期間配分することを目的とする手続きのことです。財務会計上の利益と税法の規定にしたがって計算する課税所得とは通常一致しません。この差異を調整するのが税効果会計ですが、財務会計と税法の目的の違いにより発生する損益認識基準のずれは、国際的な資金調達をはじめとする事業活動のグローバル化に伴い、企業経営そのものにおいて無視できない問題となってきました。従来、連結決算においてのみ任意適用が認められてきましたが、平成11年4月以後開始する事業年度から単独決算・連結決算での導入が義務づけられています。
○時価会計
資産と負債を毎期末の時価で評価し、財務諸表に反映させる会計制度のことです。時価会計導入の背景としては、従来の取得原価主義会計の下では、取得価額(帳簿価額)と時価の乖離が大きくなってくると、会社の経営を帳簿価額のみに基づいて判断できなくなってきていることがあげられます。
○連結会計
(連結決算)親会社の決算書と子会社の決算書とを合算し、そこに関連会社の損益を反映させて親会社を中心とするグループ全体の損益を把握するために作成するものです。2000年3月期から、公開企業は新連結会計制度による企業情報の開示を義務づけられました。
会計
P.9
○企業結合会計
(合併会計)平成18年(2006年)4月1日開始事業年度から適用され、合併などの企業結合取引を、投資家にとってその持分が継続しているか否かの観点から、「取得」と「持分の結合」とに識別し、それぞれに適切な会計処理が適用されるもののことです。「取得」とは、持分の継続が絶たれるということで、「持分の継続」とは、投資がそのまま継続していることであり、「持分の結合」と識別されます。ただし、持分の継続・非継続という概念は、相対的なものであるため、「対価の種類」と「支配」という2つの観点から判断することとされています。
<具体的な判断基準の概要(独立企業間の結合)>
・以下の3要件すべてを満たす場合→「持分の結合」と判定
・3要件の一つでも欠ける場合→「取得」と判定
要件
① 結合の対価が議決権付普通株式であること
② 結合後の議決権比率がおおむね55:45~45:55の範囲
③ ②以外の支配関係を示す一定の事実が存在しないこと
<取得の会計処理:パーチェス法> purchase
被結合企業の資産・負債を時価で引き継ぐとともに、その取得原価を、対価として交付する現金および株式等の公正価値とする会計処理方法のことです。したがって、取得と判定された場合は、次のように処理されます。
① 被結合企業から受け入れる資産・負債→時価評価
② 取得原価と①の時価評価ベースの純資産額との差額
取得原価>時価ベース純資産→「のれん」として資産計上
取得原価<時価ベース純資産→「負ののれん」として負債計上
「のれん」と「負ののれん」→20年以内規則的償却
<持分の結合の会計処理:持分プーリング法>
全ての結合当事企業の資産、負債および資本を、それぞれの適切な帳簿価額で引き継ぐ会計処理方法のことです。
背景
のれん http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_384.html
のれんは営業権と同意語、法律上の権利ではないが、企業のブランド力、得意先との信頼関係、特殊な技術などの他の企業を上回る企業収益を稼得することができる無形の財産的価値を有する事実関係のこと。会計上、営業権は合併など特殊な場合にのみ計上され、20年以内に償却する必要がある。
http://gogen-allguide.com/no/noren.html
のれんとは、屋号・店名などを記し、店先にかけておく布。また、部屋の仕切りや装飾に用いる布。店の信用・格式。
のれんの語源・由来
のれんは漢字で「暖簾」と書き、本来は「のんれん(「暖」は唐音で「のん」)」であったが、転じて「のうれん」となり、「のれん」に変化した。
元々、暖簾は禅宗の用語で寒さを防ぐためにかけられた垂れ布をいい、簾の隙間を覆い暖めることから名付けられたもので、現在と同様の意味で用いられるようになったのは、近世以降のことである。
屋号などを記して店先にかけられることから、のれんは店の信用なども意味するようになり、「暖簾分け(のれんわけ)」や「暖簾代(のれんだい)」という語も生まれた。
○企業年金会計・退職給付会計
年金資産を時価で評価する一方、将来発生する年金支払額の現在割引価値を計算し、不足額があればそれを貸借対照表で認識、将来発生する年金支払額の現在割引価値をベースとして毎期の年金コストを計算するという会計手法のことです。2001年3月期決算より年金や退職一時金といった退職給付債務の開示が義務づけられ、積立不足については退職給付引当金として貸借対照表に計上しなくてはなりません。
背景
現在、我が国では、企業年金制度の財政状態が悪化しており、その状態をディスクローズすることが緊急かつ重要な問題となってきています。2001年3月期決算より年金や退職一時金といった退職給付債務の開示が義務づけられ、積立不足については退職給付引当金として貸借対照表に計上しなくてはならなくなりました。積立不足が多額になると格付け低下による資金調達コストの上昇などの影響が懸念されるため、厚生年金基金の代行返上や確定拠出年金への移行など企業の年金財政健全化の動きが加速しています。
会計
P.10
○減損会計
固定資産の減損処理ともいい、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった帳簿価額を、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように減額する会計処理のことです。平成15年10月31日に企業会計基準委員会から「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」が公表され、平成17年4月1日以後開始する事業年度から減損会計が適用されることとなりました。
http://www.azsa.or.jp/b_info/keyword/genson.html
○定額法・定率法
減価償却額の計算方法のことです。主に定額法と定率法があり、減価償却額の計算にあたっては、税法で固定資産の耐用年数、償却率、残存価額等が定められているため、実務上は税法にしたがうことが多いです。
・定額法
毎期一定額の減価償却額を計上する方法です。
・定率法
毎期固定資産の帳簿価額に一定率を乗じた額を減価償却額として計上する方法です。減価償却額は毎期逓減します。
○減価償却
建物・車両等の資産(減価償却資産)についてその使用可能期間(耐用年数)にわたり、その資産の価値減少相当額(減価償却費)を費用計上する方法のことです。法人の減価償却費は、決算調整で損金経理した金額のうち、法人税法による償却限度額に達するまでの金額を損金として処理できます。
○含み益
所有している土地や株式、あるいは在庫品などの値上がりにより、実際に収益として手元に入ったわけではないが、利益になる可能性を有しているもののことです。
○含み損
所有している資産の類の値下がりにより、損失が生じる可能性がある状態のことです。
会計
P.11
○一般債権・貸倒懸念債権・破産更生債権
債権の区分法には、原則法と簡便法があります。
原則法とは、債務者の財政状態及び経営成績等に応じて、債権を3つに区分する方法のことです。
・一般債権
経営状態に重要な問題が生じていない。
・貸倒懸念債権
経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重要な問題が生じているか、またはその可能性が高い。
・破産更生債権
経営破綻または実質的に経営破綻に陥っている。
一般事業会社においては、全ての債務者について、業況の把握及び財務内容に関する情報の入手が、多くの場合困難です。そこで、原則法に代えて、例えば債権の計上月又は弁済期限からの経過期間に応じて債権区分を行う等の簡便法も許容されます。
具体的な事例としては、下記のものがあります。
・貸倒懸念債権
支払期日から6ヶ月以上経過し、入金がほとんどない債権など
・破産更生債権
法的な経営破綻の事実が生じている債権、支払期日から1年以上経過し入金がない債権など
○後発事象
決算日(貸借対照表日)以降に発生した事象で、次期以降の財政状態および経営成績に影響を与える事象のことです。例としては、
・火災、出水などによる重大な損害の発生
・多額の増資または減資および多額の社債の発行または減資
・会社の合併、重要な営業の譲渡または譲受
・重要な係争事件の発生または解決
・主要な取引先の倒産など
○偶発債務
現時点では単なる将来の未確実な債務であり、法的債務ではありませんが、将来一定の条件のもと、法的債務として確定する可能性のある債務のことです。手形裏書義務、債務保証、商品の保証販売などにより発生する可能性があります。
会計
P.12
○貸倒引当金-銀行
銀行などの金融機関が、融資先企業の融資資金の返済能力を判断し、融資資金を回収できない可能性に備えて、あらかじめ計上する引当金のことです。銀行の債権は、破綻先、実質破綻先、破綻懸念先、要注意先、正常先に分類され、貸倒引当金には、個別貸倒引当金と一般貸倒引当金があります。
・個別貸倒引当金
破綻先、実質破綻先、破綻懸念先に分類される債権に対して、債務者ごとに計上される引当金。
・一般貸倒引当金
要注意先、正常先に分類される債権に対して、債権の分類ごとに計上される引当金。
○貸倒引当金-法人
法人はその有する金銭債権の貸倒れによる損失の見込額のことです。貸倒れ引当金は、算式により計算した繰入限度額に達するまでの金額を損金経理することができます。
・個別評価
金銭債権について、その一部につき回収が不能となった債権(不良債権)が生じている場合には、その有する金銭債権を個別に評価し、その損失見込額を貸倒引当金に繰り入れることができます。
・一括評価
一般売掛債権については、算式により計算した金額を貸倒引当金に繰り入れることができます。貸倒引当金については、各法人が期末に有する金銭債権に対して、確定した決算において損金計上することになります。したがって、連結グループ内の各法人の個別に計算した損金算入額を合算することによって連結所得計算をすることになります。
○総括引当法・個別引当法
「総括引当法」はいくつもの債権を一括した上、過去の貸倒実績率から貸倒引当金を見積もる方法のことです。それに対して「個別引当法」は個々の債権ごとに見積もる方法で、財務内容評価法か、あるいはキャッシュ・フロー見積法のどちらかが認められています。
○オフバランス・オフバランス取引
オフバランスとは、資産を親会社のバランスシートから外し、自己資本比率の向上や資金調達総額の圧縮を図ることです。オフバランス化というのは、銀行と借り手の間の債権債務関係を清算し、不良債権を銀行のバランスシートから実質的に外してしまうことです。
会計
P.13
○売上高経常利益率
収益力について同業他社と比較する場合や、過去からの収益力の変化を見る時に利用される指標のことです。
計算式:売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100
○営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローとは、「顧客から集金した現金の流入金額」から「仕入れ業者に支払った金額」、「営業活動に伴う支出金額」、「支払金利」及び「税金支払額」を引いたもので、会社に入ってくる現金がいくらあるかを示すものであり、本業でどれだけのキャッシュを生み出せたかを示しています。
○会計基準
企業の財産・営業状況を評価・分析するための一定の基準のことです。貸借対照表や損益計算書といった財務諸表は、各企業の会計基準によって導き出されています。ただし、すべての企業が同じ基準で決算を行っているわけではないので、A社とB社の財務指標を単純に比較することはできません。財務指標をもとに投資判断を行う場合などは、それぞれの資料がどのような会計基準で作られたのかなど、充分な情報収集を心掛けることが重要となります。そこで、1973年に設立されたIASC(International Accounting Standards Committee:国際会計基準委員会)によって作成が進められている「国際会計基準」という統一基準の完成を待って、日本もそれに準拠する
方向性で進むことが決まっています。
○会社価値
(FV、Firm Value)計算式:FV=時価総額+有利子負債-現預金
○株主資本
貸借対照表の資本の部の合計であり、「自己資本」「純資産」ともいわれます。内容は、株主の
払込金である資本金および資本準備金と、過年度からの利益の蓄積である利益準備金及び
その他剰余金で構成されています。株主優待安定株主作りや利益還元策として、新しく
株主優待制度を導入したり、内容を充実させる企業も増加しています。
○株主資本比率
株主資本比率は、株主資本を総資産で割った数値で、財務の安定性を測る指標の一つです。
株主資本は、株主からの払込金と、過年度からの利益の蓄積で構成されており、負債とは異なり、
返済・支払を要しない資金であるため、総資産(負債+株主資本)に占める株主資本の割合を計算し、
その比率が高いほど財務の安定性が高いと言われています。
会計
P.14
○株主資本利益率
(ROE:Rate of Return On Equity)自己資本に対する税引後利益の割合です。投下した資本(自己資本と他人資本)に対し、企業が
どれだけ利益を出したかを示すもので、「経営者が株主に対して果たすべき責務を表した指標」と
言えます。
計算式:株主資本利益率(ROE)=1株当たり利益(EPS)÷1株当たり純資産(BPS)
○キャッシュフロー
資金の流れのことをいいます。資金の流出をキャッシュ・アウトフロー、資金の流入を
キュッシュ・インフローといい、両方あわせてキャッシュフローといいます。アナリストは、株式を
分析する時に、企業の将来のキャッシュフローを予測して、企業の価値を測ります。
○偶発事象
偶発事象とは、利益又は損失の発生する可能性が不確実な状況が決算日現在に既に存在しており、
その不確実性が将来事象が発生することまたは発生しないことによって最終的に解消されるものを
いいます。
○繰延資産
会社が支出する費用のうち、支出した効果が将来に及ぶものをいいます。一時的に費用に
するのではなく、効果の及ぶ期間に分けて費用計上することです。
○経常利益
経常利益とは、損益計算書(P/L:Profit & Loss Statements)に出てくる科目で、営業利益に
営業外収益を加え、これから営業外費用を控除したあとの利益のことです。企業の正常な収益力を
示す指標であるとされているものです。
○固定比率
固定資産がどれだけ自己資本(株主資本)で賄われているかを図る指標です。
計算式:固定資産÷自己資本
○債務超過
会社の貸借対照表において、「負債」が「資産」を上回った状態をいいます。「欠損金」が「資本金」
「資本準備金」の合計を上回って、「資本」全体がマイナスになった場合を「債務超過」といいます。
会計
P.15
○財務会計
企業外部のステークホルダーに対して、会計情報を提供することを目的とした会計です。
○財務キャッシュフロー
営業活動・投資活動の結果から生じた余剰資金・不足資金をどのように利用・または調達したかを
示すのが財務活動によるキャッシュフローです。財務活動によるキャッシュフローの区分には、
資金の調達および返済によるキャッシュフローが記載され、会社の財務活動の結果が表示されます。
例えば、借入れや社債発行・増資による資金調達、借入金の返済や社債償還・配当金の支払い・
自己株式の取得などによる支出などが該当します。
○3月期末決算
4月1日から3月末日までを1年度とする企業が、年間の売上高や経常利益、資産の状況などを
まとめる決算のことです。欧米では四半期ごとに決算の上、12月を年間を通した決算期とする企業が
多くありますが、日本では東京証券取引所に上場する企業の約8割が、9月を中間期、3月末を
期末としています。企業や金融機関が保有する株式の時価は、決算期末である3月31日の株価を
基準に算出されるところが一般的ですが、銀行は3月の月中平均を用いるところが多くあります。
買い入れ価格(簿価)と比べて値下がりしていた場合、その差額が含み損や、減損処理の対象と
なるため、決算期末の株価が注目されています。
○時価総額
会社の発行している株式数に株価を掛けた金額のことです。
・株式
上場株式がどのくらいの規模かを表したもで、個別銘柄の時価総額=株価×上場株式数
市場全体の時価総額は、各銘柄の時価総額の合計で求められます。
・投資信託
保有している資産を、現在の時価に換算して合計した金額。
○自己資本
自己資本とは、企業の資本金や準備金、積立金、利益を合わせたもののことです。これに対して、
借入金や社債などは他人資本といいます。一般的には、自己資本の比率が高い方が、経営が
安定していることになります。
○自己資本比率
総資本に対する自己資本の割合のことで、この比率が高いほど、会社の資本構成がよく、
安全性が高いと言えます。
計算式:自己資本(資産から負債を差し引いたもの)÷総資産
会計
P.16
○自己資本利益率
(ROE、Return On Equity)発行済み株式数に対しての企業の自己資本(株主資本)に対する当期利益(税引後利益)の割合の
ことをいいます。株主資本に対する利益の割合です。効率的なお金の動かし方をしているかどうかが
わかる為、ROEが高い企業は資本を十分活用して利益をあげていると見ることができます。
計算式:自己資本利益率=1株当たり利益(EPS)÷1株当たり純資産(BPS)=利益÷総資産
企業は、株主資本(自己資本)と他人資本(負債)を投下して事業を行い、そこから得られた収益の
中から、他人資本には利子を支払い、税金を差し引いて最後に残った税引利益が株主に帰属します。
したがって、自己資本利益率は、株主の持分に対する投資収益率を表すことになります。
ROEは、借入金を多くして財務レバレッジ(てこ)を大きくすれば上がります。したがって、
ビジネスの収益性を見るには総資産利益率(ROA)を使った方が良いことになります。よって、ROEの
高さに注目する時は、総資産利益率(ROA)でそのビジネスがよいものであるかを判断し、負債に
よる有利さとリスクを検討しなければなりません。
○資本
企業が資金を調達する場合、株式などの「資本」と借入や債券の発行などの「負債」の2通りの
方法があります。「資本」のうち、実際に株式の発行で調達した金額が「資本金」「資本準備金」と
なります。「資本」には、その他、過去計上してきた利益のうち配当などで支払った残りの
「剰余金」があります。損失を計上してきた場合には、「剰余金」ではなく「欠損金」という形になります。
「欠損金」が「資本金」「資本準備金」の合計を上回って、「資本」全体がマイナスになった場合を
「債務超過」といいます。
○純資産総額
ファンドに組み入れられている株式や債券等の有価証券を合計し、未収利息を加え、未払金等を
差し引いたもので、ファンドの規模を表します。「資産」から「負債」を差し引いた金額のことです。
○税引き後利益
損益計算書(P/L)上に出てくる利益のことで、税引き前利益から事業税・住民税などを差し引いた
ものです。
○総資産
貸借対照表(B/S)上の資産の総額のことです。通常、資本と負債を足した合計額と同額になります。
総資産の額が会社の規模を表しています。
会計
P.17
○増収増益
企業の決算発表では、企業業績について様々な数字を発表しますが、その中でも重要な数字が
売上高と利益です。前の決算期と比較して売上高、利益ともに増えていることを増収増益といいます。
逆に、売上高、利益ともに減っていることを減収減益といいます。最近の経済環境を反映して、
デフレで売上高は減ったけれど、リストラ効果で利益は増えたという場合には、減収増益となります。
売上高増加、利益減少の場合には、増収減益です。
○損益分岐点
(Break even point)営業活動をしていて利益も損失も発生ない売上高のことです。つまり、売上高がその金額を下回ると
損失が発生し、上回れば利益が出るという「採算ライン」のことです。損益分岐点を把握しながら
事業を運営することは安定した事業活動を行なう上で必須のことといえます。損益を生産量や
売上高の多寡と結びつけて把握しておくことは、今後の損益予想や事業計画を立てていく上で
重要といえます。
○当期利益
各銘柄にはそれぞれ売買するときの単位が決められています。1株で買えるものもあれば、100株、
500株、1000株という単位のものもあります。最近では、この売買単位を引き下げて個人投資家が
買いやすくするという措置を講じる会社も多くなっています。
○当座比率
現金での借入金の支払能力がどれぐらいあるかを図る指標のことです。
計算式:当座資産÷流動負債
○固定長期適合率
貸借対照表から財務の安全性(健全性)をみるための指標です。企業の資金源泉と資金使途との適
合状況を分析しようとするものです。
計算式:固定長期適合率=固定資産÷(株主資本+固定負債)
○インタレスト・ガバレッジ・レシオ
営業利益と金融収益(受取利息と受取配当金を含めることが多い)が支払利息をどの程度上回って
いるかを示す指標です。
計算式:インタレスト・ガバレッジ・レシオ=(営業利益+金融収益)÷支払利息
会計
P.18
○投資キャッシュフロー
投資キャッシュフローは、企業の投資活動、すなわち設備投資によるキャッシュフローを指します。
個人でいうと、住宅の取得や株式の購入がこれに当たります。
○引当金
将来発生する可能性のある損失や費用を、当期の損失や費用として計上するために使われる
会計上の処理です。一般的に使われているのは「貸倒引当金」「賞与引当金」「退職給付引当金」の
3つです。
○1株当たり株主資本
1株当たり株主資本は、株主資本を期末発行済株式数で割った数値です。株主の払込金と
過年度からの利益の蓄積で構成される「株主のもの」である株主資本の1株当たりの持分を表した
もので、「1株当たり純資産(額)」ともいいます。この1株当たり株主資本は、持分証券である株式の
投資価値を測定する指標として利用されています。
計算式:1株当たり株主資本=株主資本÷期末発行済株式数
○1株当たり株主資本
1株当たり株主資本は、株主資本を期末発行済株式数で割った数値です。株主の払込金と
過年度からの利益の蓄積で構成される「株主のもの」である株主資本の1株当たりの持分を表した
もので、「1株当たり純資産(額)」ともいいます。この1株当たり株主資本は、持分証券である株式の
投資価値を測定する指標として利用されています。
計算式:1株当たり株主資本=株主資本÷期末発行済株式数
○1株当たり純資産
(BPS:Book Value Per Share)企業の安定性を見るための指標のひとつで、BPSが高いほど、安定性も高いことになります。企業の
資金は借入や社債などの「負債」と株式や利益金などの「資本」に分けられます。「負債」は返済
しなければなりませんので、株主の持ち分は、「資本」の部分になります。この「資本」のことを
「純資産」とか「株主資本」といいます。
計算式:1株当たり純資産=純資産(株主資本)÷発行済株式数
「株主資本」が大きくても、発行済株式数が多ければ、1株当たり純資産は小さくなります。
○1株当たり利益
(EPS:Earnings Per Share)1株に対して税引後利益が何円あるかを表します。正確には、純利益(税引き後利益)が発行済の
株式1株当たりいくらになるかというものです。これを把握することで株価の物差し(ものさし)ができて
きます。人気がある会社でも、実は全く儲かっていない会社もあるのです。
計算式:1株当たり利益=税引後利益÷発行済株式数
会計
P.19
○負債比率
デット・キャップともいいます。負債比率=総負債÷総資本(他人資本+自己資本)借入金などの
負債が適正かどうかを見ます。
○フリーキャッシュフローバリエーション
税引前営業利益に減価償却費を加え、設備投資と運転資本の増加を差し引いたものです。将来に
渡る予想FCFを、時価に直した負債と株主資本の加重平均資本コストで現在価値に割り引きます。
これに時価評価した保有資産を加えた値が企業価値であり、企業価値から負債を差し引いたものを
株主価値とします。FCFV(フリーキャッシュフローバリエーション)では、こうして算出された
株主価値と実際の株価を比較して割安かを判定します。
○持ち分法
連結対象外の子会社や関連会社の税引き損益を、親会社の出資比率(持ち分)に応じて
連結純利益に反映させる方法です。
○流動比率
(カレントレシオ)流動比率=流動資産÷流動負債企業が当面(1年程度)生きてくための資金があるかを見ます。
200%程度が望ましく、100%を下回ると資金ショートする可能性がありますので、要注意です。
○レバレッジ
テコを意味し、少額の資金で、大きな効果を出すことを「レバレッジ効果」といいます。
○連結財務諸表
連結財務諸表は、支配・従属関係にある2つ以上の会社からなる企業集団を単一の組織体と
みなして、親会社がその企業集団の財政状態及び経営成績を投資家等に対し、総合的に報告する
ために作成するものです。
○連単倍率
単独決算に対する連結決算の割合もことです。計算の結果1倍を超えれば、子会社と関連会社を
含めた利益が、親会社単独の利益よりも大きいことを意味します。連単倍率が大きいほど、
グループ力が強いといえます。
計算式:連単倍率=連結決算÷単独決算
会計
P.20
○労働分配率
労働分配率とは、生み出された付加価値のなかからどれだけが人件費として従業員に還元されてい
るかを表します。具体的なケース:管理会計上では、人件費÷売上総利益でも求めることが出来ます。
計算式:人件費÷付加価値額
○DCF
将来のキャッシュフローを、割引率を使って現在価値に引き戻すことです。
○NPV
(賞味現在価値、Net Present Value)現在から将来のフリー・キャッシュフローの現在価値の総合計です。投資を判断する時に利用します
現在の投資額が適正かどうかを将来のキャッシュインの現在価値で考えます。基準を現在にします。
○FCF
企業が事業活動から獲得したキャッシュのうち、自由に使うことが可能なキャッシュのことです。
計算式:FCF(フリーキャッシュフロー)=営業CF+投資CF
○資本コスト
資本コストとは、企業が借入や株式などを調達するためにかかったコストのことをいいます。資本コス
トは、借入に対する利息の支払いの負債コストと株式に対する配当の支払いと値上がり益(キャピタ
ルゲイン)による株主資本コストとに分けられます。
・負債コスト
負債コストとは債権者より調達した負債に対するコストのことです。負債は、借入金にかかる費用で
ある支払利息や、債券の発行による費用である発行費用及び支払利息のことです。
・株主資本コスト
企業が事業を行うために調達した資本にかかるコストのことです。これには、株主の要求するリター
ンつまり株主に支払う配当金や株価のキャピタルゲインが含まれます。
○最適資本構成
最適資本構成とは最も望ましい自己資本と負債の組み合わせ比率のことです。
会計
P.21
○ROA
(総資産利益率、Return On Asset)利益を総資産(総資本)で割った総合的な収益性の財務指標です。企業に投下された総資産が、
利益獲得のためにどれほど効率的に利用されているかを表します。分子の利益は、営業利益、
経常利益、当期純利益などが使われ、総資産(総資本)営業利益率、総資産経常利益率、
総資産純利益率、とそれぞれ定義されます。
計算式:総資産利益率=売上高利益率×総資本回転率
=(利益÷売上高)×(売上高÷総資本)
=利益÷総資産
総資産利益率を高めることは、利益率の改善(費用・コストの削減)又は総資本回転率の上昇
(売上高の増加)によって実現されます。実際の会計では、総資本を総資産として把握することが多く
あります。アメリカでは、企業の収益性を判定するには、総資産利益率(収益率)=ROA、ないしは、
株主資本利益率=ROEがよく用いられます。
○ROI
(Return On Investment)投下した資本に対してどれだけ利益が上がったかを表す指標のことをいいます。投下資本の効率を
測るものでありますが、効率を表す利益の値にはEBITDAを用いることが多いです。
※EBITDA(イービッダー・イービットディーエー)とは、企業の利益水準を表す指標で利払い前、
税引前償却前利益のことをいいます。これは、支払利息などの金融費用と税金、原価償却費および
少数株主持分損益を当期純利益に加えたものになります。
○有利子負債
金利をつけて返済しなければならない債務のことです。銀行などから借りた借入金のほか、社債の
発行などで市場から調達した資金の償還額なども有利子負債に加えられます。「有利子負債」の
残高は企業の財務内容の健全性を測る指標の1つとなっています。
○買掛金・未払い金
買掛金・・・商品をツケで仕入れたときに使う勘定科目です。
未払金・・・商品以外のものを購入して代金が未払いの場合に用いる勘定科目です。
○売掛金・未収金
売掛金・・・商品を売り上げて代金が未収のとき、つまり商品をツケで売ったときに用いる勘定科目で
す。
未収金・・・商品以外のものを売却などして代金が未収のときに用いる勘定科目です。
会計
P.22
○棚卸資産
企業が販売する商品、製品、製品を製造するための原材料や消耗品、製造途上にある
仕掛品などが主な内容です。最近では経済のソフト化が進み、棚卸資産の主流を占めてきた
物理的な意味での棚卸資産(商品、製品、原材料など)の他、無形の棚卸資産(開発途上の
無形サービスにかかわる無形の費用)なども含まれます。(有価証券を除く)
・商品、または製品(副産物および作業くずを含む)
・半製品
・仕掛品(半成工事を含む)
・主要原材料
・補助原材料
・消耗品で貯蔵中のもの
会計
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